研究課題
本研究では、気仙地域がもつ歴史・文化の魅力を、歴史学・考古学・民俗学の3分野から学術的に研究し、その基礎情報を関係自治体に提供して今後の文化資源の保全と活用に資すること、および研究成果の要点を地域の方々に還元することにより地域と生活文化の復興に資することを目的とする。今年度は、(1)各研究分野におけるフィールド調査、(2)考古学部門における古代史関係資料のデータベース作成、(3)フィールド調査やデータベース作成および既知のデータ・資料の分析による研究、(④)研究成果を市民に還元するため報告会の実施、(5)報告書の作成、の大きく5つの活動を行った。(1)では次のフィールド調査を行った。①前年度実施した陸前高田市内津波被災石碑の補足調査を行い終了した。②気仙川流域の中世城館群の縄張図作成を継続し、住田町世田米城・上原城を対象とし、過年度と合わせて11城館の図を作成した。③本吉郡大肝入熊谷家に関する資料(熊谷公男文書)の系図の調査を行った。④民俗調査は小友地区と横田地区で実施し従来の調査の補足を行った。(2)では東北地方太平洋側沿岸部の古代社会の研究基礎資料として、北海道までを含む古代集落と古代の貝塚・漁撈関係資料のデータベースを作成した。(3)では考古学(縄文時代~中・近世)、歴史学(古代~近・現代)、民俗学3分野の研究により当地域の歴史・文化的特色の把握に努めた。(4)として2017年2月11日に住田町で3分野5本の研究成果を報告した。(5)として歴史・考古分野と民俗学分野の2冊の報告書を作成した。これらにより、気仙地域は、海域と内陸森林域とが複合する生態系の中で、漁撈と船運による交易・交流を活発に行う様子が明らかになった。また、報告会で地域の方々から研究の魅力について、むしろ私たち研究者が教えられる場面があり、本研究の重要性を再確認させられたことは特に印象的であった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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季刊考古学
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山梨日日新聞 文化欄「古代史の窓」
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東北学院大学論集 歴史と文化
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歴史学研究
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巻: 10月26・27日 ページ: ー
巻: 5月25・26日 ページ: ー
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考古学ジャーナル
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別冊季刊考古学
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東北学院大学東北文化研究所紀要
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歴史書通信
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