研究課題/領域番号 |
26284106
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
秋葉 淳 千葉大学, 文学部, 准教授 (00375601)
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研究分担者 |
林 佳世子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (30208615)
小笠原 弘幸 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (40542626)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | オスマン帝国 / 西アジア・イスラーム史 / 近代史 / 近世史 / トルコ / 東洋史 / 遺産目録 / エゴドキュメント |
研究実績の概要 |
2年目となる平成27年度は、国内学会でのパネル組織、国内研究会の開催、海外研究協力者との共同研究の推進など、共同研究の実質化を中心に、研究活動を進めた。 10月に北海道大学で開催された日本オリエント学会第57回大会に企画セッション「18世紀中葉のオスマン帝国:首都イスタンブルからの展望」を組織して参加した。このセッションでは、連携研究者の高松洋一氏がマフムト1世による図書館の蔵書形成について、研究協力者の守田まどか氏が、同時期の都市の社会的秩序について、そして研究代表者が遺産目録史料を利用して18世紀オスマン帝国裁判官について、それぞれ報告を行った。国内研究会は東洋文庫にて7月に開催し、研究協力者の岩本佳子氏がオスマン帝国における「奉公集団」について、川本智史氏がオスマン朝宮殿群の形成過程についてそれぞれ報告した。また、10月の比較教育社会史研究会(青山学院大学)に長縄宣博氏(北海道大学)を招聘し、他の参加者とともにオスマン帝国近代の教育社会史に関する論集の合評会を行った。 海外での研究活動として、研究代表者が9月にトルコに出張し、イスタンブルで首相府オスマン文書館、スレイマニエ図書館などで18世紀オスマン帝国の社会変容に関する文書や写本史料を調査・収集し、トカトとスィヴァスでは現地調査を行った。また、分担者の林佳世子氏は8月にアンカラ大学とイスタンブル・シェヒル大学で研究打合せを行った。 ヴァーモント大学のB・エルゲネ氏を招聘し、10月に京都大学及び東洋文庫でオスマン帝国の法と社会に関する研究会を開催し、意見交換を行った。エルゲネ氏とは共同で裁判官の遺産目録のデータベース作成を開始した。 また、科研メンバーが個々に研究成果を国内外の学会で発表したほか、雑誌や論集に論文を公表した。代表的な成果として、研究代表者によるオスマン史におけるエゴドキュメントに関する論考がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本オリエント学会でのパネル企画も予定通り遂行でき、基本的に研究実施計画通りに進んでいる。次年度の国際研究集会については、基本的にメールを通じて海外の研究者と打合せを行い、9月にハンブルクで開催されるTurkologentag 2016に応募をすることができた。なお、2016年4月に応募の採択通知が届いている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度までの研究実績を土台として、研究を発展させていく。継続して国内研究会の開催、海外資料調査、海外共同研究者との連携などを行っていく。平成28年度は国際学会(Turkologentag 2016、於ハンブルク)でのパネル組織、最終年度となる平成29年度は国内での国際ワークショップの開催を計画しているので、その準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の年度末にトルコでの資料調査を予定していたが、現地情勢の不安定化により、延期したため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、現地情勢の動向を注視しつつ、トルコやヨーロッパ諸国での資料調査・国際研究集会参加等を行う予定である。
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