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2015 年度 実績報告書

20世紀中国地域社会の指導層・中堅層―江南地方の人材基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 26284110
研究機関明治大学

研究代表者

高田 幸男  明治大学, 文学部, 教授 (90257121)

研究分担者 飯塚 靖  下関市立大学, 経済学部, 教授 (00514126)
水羽 信男  広島大学, 総合科学研究科, 教授 (50229712)
大澤 肇  中部大学, 国際関係学部, 講師 (00469636)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード国際研究者交流 / 中国 / 長江下流域 / 地域社会 / 地域指導者 / 人材養成
研究実績の概要

今年度は、1920年代の江南地域指導者の状況について、未公刊史料の講読・分析を進める一方、1930年代から50年代の浙江省における状況について、現地における聴き取り調査をおこなった。
まず、未公刊史料の講読・分析では、長江河口の崇明島の地域エリートである王清穆が書き残した手書きの日記『農隠廬日記』のうち、1927年7月から12月までを講読したのち、1922年に戻って同年9月から1924年9月までを講読した。1927年後半、崇明島は共産党系の農民運動によって騒然となるが、王清穆は上海の衛戍司令部に部隊の派遣を依頼し、治安回復を図っているが、1922年にさかのぼって読むことによって、この時期に王清穆と国民党との関係構築の端緒を発見した。
さらに、現地における調査では、浙江省湖州市、同寧波市、同温州市を訪問し、それぞれ浙江大学歴史系陳紅民教授および湖州師範学院、寧波大学、温州大学の協力のもと、湖州で9名、寧波で3名、温州で3名、計15名に、主として1930年代から50年代の人材養成について聴き取りをおこなうとともに、温州市図書館等で史料収集をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最近の中国内外の情勢によるためか、一部聴き取り調査を拒否する動きが出たが、中国側研究者はみな協力的で、それを補う貴重な情報・史料を得ることができた。

今後の研究の推進方策

2016年度は、南京大学歴史学院や浙江大学人文学院との緊密な連携のもと、江蘇省の南京、鎮江、常州、浙江省の慈溪などで聴き取り調査をおこない、あわせて現地で史料を収集する。調査に当たっては、これまでと同様、現地協力者と綿密に打ち合わせて、インタビューを受ける老人に研究の目的を周知させ、信用を得ることに努める。
また、ひきつづき「農隠廬日記」の講読を進める。

次年度使用額が生じた理由

中国浙江省における現地調査を3月に実施したことにより、多くの立替払いが生じたため。

次年度使用額の使用計画

立替払いの清算は完了している。残額は次年度の現地調査に充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件)

  • [国際共同研究] 南京大学歴史学院/浙江大学人文学院/湖州師範学院(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      南京大学歴史学院/浙江大学人文学院/湖州師範学院
    • 他の機関数
      6
  • [雑誌論文] 「農隠廬日記」(5)2016

    • 著者名/発表者名
      王清穆研究会
    • 雑誌名

      近代中国研究彙報

      巻: 38 ページ: 51-108

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公開日: 2017-01-06   更新日: 2022-01-31  

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