研究課題
本研究課題はモンゴル国現地収集史料等による13~14世紀モンゴル高原史の再構成を行うもので、2016年度の研究成果は以下の通りである。松田孝一、村岡倫、松川節は2016年9月、我々がチンカイ屯田に比定するモンゴル国西部ハルザンシレグ遺蹟及び周辺遺蹟をモンゴル国国際遊牧文明研究所オチル(教授)とともに調査し、モンゴル高原西部の軍事拠点と周辺の農業開発活動を再構成した。村岡倫はチンギス・カンのモンゴル高原の本領が庶子コルゲンに継承されたことを明らかにした。白石は金のタタル部遠征戦勝記念岩壁銘文の行軍記録を解読し、また明軍のモンゴル遠征記録と現地遺蹟を調査し、東部モンゴル高原交通路を再構成した。加えてハルザンシレグ遺蹟発掘データを分析した。松川節はカラコルムの仏寺興元閣碑の碑文内容に関して分析した。中村淳は、東部チベットのドカム宣慰司に関するチベット史料を分析し、カラコルム宣慰司研究の関連データを得た。松井太はハラホト、トルファン出土文書、石窟銘文を検討し、当該期ウイグル人の動向を考察するデータを得た。矢島洋一はチンギス・カンのホラズム国攻撃での聖職者クブラーの「殉教譚」に関するモンゴル時代以後の中央アジア諸国家での評価についての研究を公刊するとともにムスリム史料におけるモンゴル高原の認識について、地理書の記述やゴグ・マゴグ伝説との関わり等を通じて考察した。山本明志は嶺北(カラコルム)行省の官員を碑文資料から分析した。松田孝一はカラコルムの10件の碑文内容の概略の英語訳を作成し、また元朝宮廷儀礼の装備の一つ骨朶について検討した。また代表者として研究組織の成果を総括する集会を2017年2月11日龍谷大学にて公開開催するとともに2015年度及び2016年前半の成果等8件を含む報告書『13-14世紀モンゴル史研究』第2号(A4判83頁)を刊行配布し、成果を広く学界共有のものとした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 1件、 謝辞記載あり 7件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
13-14世紀モンゴル史研究
巻: 2 ページ: 71-79
敦煌・吐魯番の文書世界とその時代
巻: - ページ: 印刷中
Opkhoni khöndiin öv(Heritage of Orkhon Valley)
巻: 2017-4 ページ: 6-15
巻: 2 ページ: 1-10
巻: 2 ページ: 21-35
巻: 2 ページ: 45-53
寧夏社会科学
巻: 2017年2期 ページ: 202-212
日本中東学会年報
巻: 32/2 ページ: 21-32
巻: 2 ページ: 55-70
馬可・波羅 揚州 絲綢之路
巻: - ページ: 283-293
Actual Problems of Turkic Studies: Dedicated to the 180th Anniversary of the Department of Turkic Philology at the St. Petersburg State University
巻: - ページ: 559-564