研究課題/領域番号 |
26284115
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
赤尾 光春 大阪大学, 文学研究科, 助教 (90411694)
|
研究分担者 |
高尾 千津子 東京医科歯科大学, 教養部, 教授 (00247264)
向井 直己 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 研究員 (00725400)
野村 真理 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (20164741)
恒木 健太郎 専修大学, 経済学部, 講師 (30456769)
宮崎 悠 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (40507159)
後藤 正英 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (60447985)
小林 木綿 (西村木綿) 追手門学院大学, 公私立大学の部局等, その他 (30761035)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ユダヤ / 自治 / ポーランド / ロシア / オーストリア / ドイツ / パレスチナ / ディアスポラ |
研究実績の概要 |
本年度は、ユダヤ自治の多様なあり方について幅広い議論を行うため、「ユダヤ自治」ワークショップを計3回、関連イベントを二回開催した。概要は以下の通り: ①第三回ワークショップ:「モーゼス・メンデルスゾーンとユダヤ自治」(5月31日、専修大学、発表者:後藤正英)、②第四回ワークショップ:「ユダヤ自治をめぐる学説史の概要」(11月15日、専修大学、発表者:向井直己)、③第五回ワークショップ:「他所者の無記名証券による隠匿――ヴェルナー・ゾンバルトのユダヤ人観の一断面」(2月7日、専修大学、発表者)/「ブンドの文化的民族自治論とその実践について」(発表者:西村木綿)、④「二つの世界のはざまで――S・アン=スキ『ディブック』とユダヤ文化ルネサンス」(10月2日(大阪大学21世紀懐徳堂スタジオ)/10月3日(土)(居留守文庫))、⑤「ディブック――二つの世界のはざまで」(2月4日、5日(東京・両国 シアターX)) ➀では、ドイツ・ユダヤ啓蒙主義の中心人物によるユダヤ的慣例の擁護活動の概要が示された。②では、ユダヤ自治をめぐる学説史の整理を行い、当プロジェクトの議論の基本的枠組みについての議論を行った。③では、ドイツにおけるユダヤ法の解釈と反ユダヤ主義の関係についての基礎的な考察を行った。④と⑤では、演劇と音楽を例に、東欧ユダヤ文化の基本的な性格について一般の人々に紹介することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度と本年度の二年間に開催した計6回に及ぶ「ユダヤ自治」ワークショップを通じて、研究分担者と研究連携者すべてによる報告が終了した。その間、各報告者の専門とする研究領域における最新の知見をすべての関係する研究者が共有するとともに、ユダヤ自治をめぐるこれまでの研究史的な流れについて再検討を行うことができた。以上のような報告と議論を積み重ねた結果、最終年度となる平成28年度に予定しているシンポジウムのプログラムを確定することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年6月11日と12日の二日間にわたって、専修大学にて研究分担者及び研究連携者計11名によるシンポジウムを開催する予定である(うち一人は、イスラエル国バル・イラン大学より旧ソ連野ユダヤ自治州ビロビジャンの研究で知られるベル・コトレルマン准教授を特別講師として招聘予定)。 シンポジウムでは各報告者にペーパーを提出してもらい、シンポジウム終了後、各ペーパーに修正加筆を加えた上で、論文の形として提出する(締め切りは9月上旬を予定)。出揃った論文を編集し、年度内に論文集として刊行することを目指す(現在、刊行のために出版社と交渉中であり、概ね出版に向けた承諾を得た段階である)。
|
次年度使用額が生じた理由 |
補助金未使用分の19,377円は、研究分担者である追手門大学の西村(小林)が大学指定の予算執行期限(2月中)に間に合わなかったため生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
補助金のため全額返済する予定。
|