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2014 年度 実績報告書

近代ヨーロッパ社会の形成・変容過程における宗教の役割―カトリシズムの社会史的考察

研究課題

研究課題/領域番号 26284117
研究機関成城大学

研究代表者

中野 智世  成城大学, 文芸学部, 准教授 (90454470)

研究分担者 渡邊 千秋  青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (00292459)
勝田 俊輔  東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (00313180)
村上 信一郎  神戸市外国語大学, 外国語研究所, 非常勤講師 (10305675)
長井 伸仁  上智大学, 文学部, 教授 (10322190)
前田 更子  明治大学, 政治経済学部, 准教授 (30453963)
深沢 克己  東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (60199156)
寺戸 淳子  専修大学, 文学部, 兼任講師 (80311249)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード西洋史 / 宗教 / キリスト教 / 近代ヨーロッパ / 社会史
研究実績の概要

本年度は、参加研究者による研究会を三回にわたって開催し、共同研究の方向性や各研究者の個別テーマについての検討を行った。また、一部のメンバーは、夏期・春期にそれぞれが対象とする当該国での史料調査を行った。さらに、外部の研究会にてシンポジウムを開催し、研究成果の一部を広く討議に付した。具体的な研究成果は下記のとおりである。
1.近代ヨーロッパと宗教を論ずる上での理論的枠組み、研究パラダイムについて討議し〔第一回研究会、2014年7月5日、於:成城大学〕、西洋史研究が宗教を取り上げることの意義、とりわけ「近代の対抗物」とみなされてきたカトリシズムに着目することの意義について、研究者間の問題意識の共有を確認した。
2.上記の合意に基づいて各メンバーがそれぞれ個別研究に着手し、その成果についての中間報告を随時行って、議論を重ねた〔第二回研究会、2014年10月4日、報告者:長井、尾崎、コメンテーター:桜井〕〔第三回研究会、2015年1月10日、報告者:勝田、前田、渡邊、コメンテーター:桜井〕。また、中野、村上、寺戸の3人は、現代史研究会において「奇跡・悔悛・慈善―カトリシズムという『周縁』からみる近代ヨーロッパ」と題するシンポジウムを企画・開催し〔2014年11月1日、於:共立女子大学〕、研究成果の一部を広く公表した。
3.同様に、研究成果の一部を学術雑誌のフォーラム投稿論文として寄稿し、掲載された〔中野・前田・尾崎・渡邊「ヨーロッパ近代のなかのカトリシズム―宗教を通して見るもうひとつの『近代』」、『西洋史学』252号〕。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していたゲストスピーカーの招聘が、日程が折り合わず、次年度に持ち越されることになったこと、また、一部のメンバーが平成26年度に予定していた海外調査を平成27年度に延期するなどの変更はあったが、全体としては、おおむね予定通りの進捗状況である。

今後の研究の推進方策

次年度も、本年度に引き続き、参加研究者全員による討議と中間報告の場として、年3回の研究会を予定している。また、各参加研究者(連携研究者、研究協力者を含む)は、本年同様、それぞれがフィールドとする当該国での史料調査・収集をすすめる。また、近代社会における宗教問題を幅広い視野から検討するために、ゲストスピーカー一名を招聘する。具体的には、以下のスケジュールに沿って共同研究をすすめる予定である。
まず、7月に第一回研究会(会場:東京・成城大学)を開催し、参加研究者全員による中間報告、今後の進め方についてのうちあわせを行う。7~8月には、参加研究者のうち下記のメンバーが、それぞれ史料調査収集を行う。中野、尾崎(いずれもドイツ)、渡邊(スペイン)、加藤(ポーランド)、村上(イタリア)、勝田(アイルランド)、長井、前田、寺戸(いずれもフランス)が海外調査を予定している。
年度後半の11月には、今年招聘がかなわなかった宗教学者の島薗進氏(上智大学)をゲストスピーカーとしてお招きし(会場:東京・成城大学)、近代社会における宗教を分析する上での方法論、理論的パースペクティヴについて討議・意見交換を行うとともに、研究上の助言を受ける予定である。1月に第三回研究会(会場:東京・成城大学)を開催し、各自が研究の進捗状況について報告を行うほか、執筆に向けて企画・構成についての打ち合わせを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

参加研究者のうち、研究代表者である中野、研究分担者である寺戸、連携研究者である加藤、研究協力者である尾崎が、それぞれ学務等との関係から、本年度予定していた海外での現地調査ができなかったため、次年度に旅費を繰り越した。

次年度使用額の使用計画

次年度は、昨年から持ち越した旅費を用いて、各自、予定通り海外調査を行う予定である。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] ポストモダンの君主論―イタリア民主党論2015

    • 著者名/発表者名
      村上信一郎
    • 雑誌名

      神戸外大論叢

      巻: 65 ページ: 5-35

  • [雑誌論文] ヨーロッパ近代のなかのカトリシズム――宗教を通して見るもうひとつの「近代」2014

    • 著者名/発表者名
      中野智世・前田更子・尾崎修治・渡邊千秋
    • 雑誌名

      西洋史学

      巻: 252 ページ: 59‐70

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ポピュリズムとデモクラシー2014

    • 著者名/発表者名
      水島治郎
    • 雑誌名

      千葉大学法学論集

      巻: 29巻、1・2号 ページ: 125-147

  • [雑誌論文] フランスとアイルランド――共通の歴史、差異の歴史2014

    • 著者名/発表者名
      勝田俊輔
    • 雑誌名

      クリオ

      巻: 28 ページ: 1‐44

  • [雑誌論文] 河合博之駐ポーランド特命全権公使の改宗と客死(1933年)―『無原罪の聖母の騎士』誌より2014

    • 著者名/発表者名
      加藤久子
    • 雑誌名

      日本文化研究所年報

      巻: 7 ページ: 58-66

  • [学会発表] 慈善と正義のあいだで―ドイツ社会国家におけるカリタス2014

    • 著者名/発表者名
      中野智世
    • 学会等名
      ドイツ現代史研究会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2014-12-21
  • [学会発表] 慈善と正義のあいだで―ヴァイマル福祉国家におけるカリタス2014

    • 著者名/発表者名
      中野智世
    • 学会等名
      現代史研究会
    • 発表場所
      共立女子大学
    • 年月日
      2014-11-01
  • [学会発表] イタリア・マフィアとカトリック教会ー犯罪と悔悛2014

    • 著者名/発表者名
      村上信一郎
    • 学会等名
      現代史研究会
    • 発表場所
      共立女子大学
    • 年月日
      2014-11-01
  • [学会発表] ルルド傷病者巡礼における奇跡的治癒とカトリック医師2014

    • 著者名/発表者名
      寺戸淳子
    • 学会等名
      現代史研究会
    • 発表場所
      共立女子大学
    • 年月日
      2014-11-01
  • [図書] アルプス文化史―越境・交流・生成2015

    • 著者名/発表者名
      深沢克己、踊共二、森田安一、渡辺孝次、森本慶太、本間美奈、小林淑憲、穐山洋子、岡村民夫
    • 総ページ数
      268(90-95)
    • 出版者
      昭和堂
  • [図書] 保護と遺棄のこども史(担当部分:第8章)2014

    • 著者名/発表者名
      中野智世、橋本伸也、沢山美果子、中村勝美、岡部造史、江口布由子、三成美保、山崎和美、高岡裕之、岩下誠、金澤周作、北村陽子、河合隆平
    • 総ページ数
      315(242‐275)
    • 出版者
      昭和堂
  • [図書] 教皇ヨハネ・パウロ二世のことば―一九七九年、初めての祖国巡礼2014

    • 著者名/発表者名
      加藤久子
    • 総ページ数
      79
    • 出版者
      東洋書店
  • [図書] 個人の語りがひらく歴史―ナラティヴ/エゴ・ドキュメント/シティズンシップ(担当部分:第6章)2014

    • 著者名/発表者名
      長井伸二、牧原茂、長田浩彰、松井康浩、寺田由美、青木利夫、久木尚志
    • 総ページ数
      288(203‐236)
    • 出版者
      ミネルヴァ書房

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公開日: 2016-06-01  

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