研究課題/領域番号 |
26284121
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
宮路 淳子 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (30403322)
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研究分担者 |
舘野 和己 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (70171725)
深草 俊輔 奈良女子大学, 古代学学術研究センター, 特任助教 (50723582)
中沢 隆 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (30175492)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | タンパク質考古学 / 膠 / 質量分析 / 墨 |
研究実績の概要 |
文化財・考古遺物に残存する動物由来成分の分析を行った。同志社大学の構内遺跡である相国寺旧境内から出土した近世の櫛の質量分析により、櫛の材質がウミガメ類であることを明らかにした(『相国寺旧境内発掘調査報告書 今出川キャンパス整備に伴う発掘調査第4次~第6次(本文編)』に報告)。江戸時代後期には、鼈甲細工と称してウシの角を加工した製品も流通していたという史料があることから、今回の素材調査によって、種の同定にまではいたらなかったものの、櫛材料の特定がタンパク質の質量分析によって可能であるという、あらたな知見が得られた。 また、マスタバ・イドゥートの壁画中に存在する経年劣化した動物膠の分析を行い、日本文化財科学会第31回大会、国際考古科学シンポジウム(International Symposium on Archaemetry)第40回大会で発表を行った。経年変化が著しい試料についても、タンパク質の構造が残存することが確かめられ、考古遺物を対象とした本分析の方法が有用であることを示した。 中国内モンゴル地区における、近現代の膠資料の分析ならびに製法・流通に関わる現地調査を実施した。遊牧生活を送るモンゴル民族の膠利用の実相を明らかにすることができた。また関連する文献史料を収集した。 膠に関わる史料として、『延喜式』の成墨関連記事のほか、近世の長崎貿易による膠原料(動物)の輸入記録、古墨園(成墨行、奈良市)所蔵の徳川将軍家からの御用記録などを収集した。 シンポジウム 西アジア発掘と関連科学(2015年3月)、皮と膠(2014年7月)、講演会 火葬墓出現の歴史的意義(2014年12月)を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文化財・考古資料の収集をすすめ、動物由来成分の質量分析を順調にすすめている。調査対象をアジアへ広げている。 史料の収集もすすめることができている。 学会報告、シンポジウム・講演会の開催等、成果の公表にも積極的につとめている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、文化財・考古資料の収集をすすめ、動物由来成分の質量分析を順調にすすめる。調査対象をアジアとすることにより、より広範に動物利用の実態を明らかにすることを目指す。 史料の収集もすすめ、質量分析によって得られた知見を、歴史にフィードバックする作業をすすめる。
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