研究課題/領域番号 |
26284129
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村山 祐司 筑波大学, 生命環境系, 教授 (30182140)
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研究分担者 |
山下 亜紀郎 筑波大学, 生命環境系, 助教 (60396794)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アジア / アフリカ / 首都圏 / GIS / 土地利用 / 衛星画像 / 都市化 / リモートセンシング |
研究実績の概要 |
アジア,アフリカの首都(北京,台北,ソウル,ハノイ,マニラ,カトマンズ,ジャカルタ,バンコク,ダッカ,クアラルンプール,テヘラン,ナイロビ,バマコ)を対象に,近年における都市化の実態を定量的に分析した.具体的には,GISとRSの技術を援用して,衛星画像(LandSat)をもとに土地利用パターン(高密市街地,低密市街地,森林,荒地,草地,水体(河川・湖),耕作地など),そして土地利用の変化(2000~2014年)を空間可視化するとともに,変化をもたらした要因について考察を行った.その結果,1990年に於いて市街地面積が最大なのは北京,ついでクアラルンプール,ハノイ,バンコク,台北と続き,2014年には,北京,ソウル,クアラルンプール,ハノイ,バンコクの順であることが明らかになった.2000~2014年における市街地の拡大率は,ダッカが最大であり,ソウル,ナイロビ,バマコが続く.さらに,都市化のプロセスを解明するWebGISの構築に向けて,本年度はデータの整備に努めた. ついで,熱画像データを用いたヒートアイランド分析,Suomi NPPを用いた都市内エネルーギの分布パターンの分析を開始したが,これについては2015年に本格的に研究を推進する予定である. 2015年3月に,ソウルで,都市化のドライビングフォースの調査を行った.KRIHS(韓国国土研究院)を訪問し,都市化の要因分析に関する資料を収集するとともに,KRIHSの研究員と都市構造変化に関する討議を行った.さらに研究会で東南アジアにおける都市化に関するプレゼンを行った.韓国では,新都市建設,郊外化に焦点をあてたフィールドワークを実施し,ソウルにおける都市化プロセスを探った. 以上の分析を踏まえ,本年度の成果を学術論文に発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アジア・アフリカの13の都市圏における土地利用パターンとその変化に関するデータベースの作成が順調に進み,WebGIS構築や規定要因分析の準備が整った.次年度に向けて,都市化分析のシームレスな引き継ぎが可能である.
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今後の研究の推進方策 |
アジア・アフリカの主要都市圏における都市化プロセスの把握を踏まえ,精度の高い将来の土地利用予測を行うことが大切であり,そのためには手法の精緻化や吟味が欠かせない.この方面の従来の研究をサーベイするとともに,次年度は精度の高い独自の予測モデルを作成することをめざす.さらに,シナリオ分析の手法を確立することにより,選択的に都市化のあるべき方向について論議し,政策,計画に役立てることを課題に据えたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
GISとRSの専門技術を有する協力者(非常勤研究員)を雇用し,衛星画像の土地利用分類やWebGIS構築を行ったが,採用開始に時間がかかるとともに,2015年3月まで雇用予定のところ,協力者が2014年11月30日に辞職した(国立情報学研究所の常勤研究員として採用が決まったため).12月以降,別の協力者(非常勤研究員)を探し,採用に至るには時間がかかるため,本年度は断念し,2015年4月1日から協力者(常勤研究員)を採用することにした.
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次年度使用額の使用計画 |
GISとRSの技術に長けた協力者(常勤研究員)を雇用し,2015年4月1日からデータ解析の作業を依頼する(2015年4月1日~2016年3月31日).
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