研究課題/領域番号 |
26284131
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡本 耕平 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90201988)
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研究分担者 |
池口 明子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (20387905)
葉 せいい 茨城大学, 人文学部, 教授 (30242332)
熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (80153344)
高木 彰彦 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (90197054)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地政学 / 地理教育 / 地誌 / 台湾 / 東南アジア / オセアニア / 南洋 |
研究実績の概要 |
1)昨年度に引き続き、戦前・戦中の地理教育における南洋地域の取り扱いについて検討した。特に教員を読者とする雑誌「地理教育」の創刊号(1925年)から最終号(1941年)までの目次のデータベース化と、30巻5号「南洋研究号」の記事内容の検討を行った。また、アカデミック地理学の代表として「地理学評論」を取り上げ、その創刊から1945年までの全論文から南洋に関わる論文を抽出し、内容を検討した。その結果、「地理教育」においては1939年の「興亜国策新地理教育論号」に見られるように、年を追うごとに政治色が強まったが、「地理学評論」ではそのような傾向は見られなかった。したがって、戦前戦中の地理学を、①アカデミック地理学、 ②地理教育、 ③地誌、と分けたとき、政治・軍事との関わりは②と③で起こったが、①の関わりは少ないと言える。 2)日本の地理学における「熱帯」概念を検討した。その結果、①熱帯は、内地・沖縄・台湾・南洋諸島・東南アジアを区別して、重層的に位置づけられていること、②熱帯概念に内在するイデオロギーとして、戦前から戦後まで一貫して存在する「豊かな熱帯」という表象があることなどが明らかになった。また、日本の熱帯概念と比較するために、野間晴雄・関西大学教授を招聘し、「フランスとイギリス・シンガポールの熱帯地理学」と題する講演をしていただき、議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
27年度に予定した、当該地域の研究機関で戦後なされている地域研究の調査・検討を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究の進捗状況がやや遅れていること、研究分担者の1人が平成28年度にサバティカルで海外に出張していることのため、研究期間を延長する方向で検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
・27年度に予定した、当該地域の研究機関で戦後なされている地域研究の調査・検討を行うことができなかった。 ・なるべく使用額を節約し、余剰分は最終年度の国際会議に使用したいと考えている。
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次年度使用額の使用計画 |
・研究の進捗状況がやや遅れていること、研究分担者の1人が平成28年度にサバティカルで海外に出張していることのため、研究期間を延長する方向で検討している。 ・使用額の節約分は、延長した研究期間における研究と国際会議に使用する予定である。
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