研究課題/領域番号 |
26284136
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関谷 雄一 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (30329148)
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研究分担者 |
高倉 浩樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00305400)
武田 直樹 筑波学院大学, 経営情報学部, 社会力コーディネーター (10725766)
箭内 匡 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (20319924)
山下 晋司 帝京平成大学, 現代ライフ学部観光経営学科, 教授 (60117728)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 福島県 / 復興開発 / 映像・イメージ / 復興ツーリズム / 文化開発 / アーカイブ / 民俗芸能 / 人間の復興 |
研究実績の概要 |
本年度は研究活動の積極的展開に力点が置かれた。4月には第2回目のミーティングを行い、1年目の進捗状況の確認と、2年目の研究体制・役割分担などに係る話し合いを行った。5月の日本文化人類学会学術大会では高倉の主催する福島研究分科会にて、関谷も一昨年のチェルノブイリ原発跡地見学を中心に報告を行った。また、10月には関谷、山下、武田が台湾にて開催された東アジア人類学会(EAAA)にて研究報告を行った。この時、早稲田大学の辻内琢也教授がパネリストに加わり、コメンテーターとして明治学院大学のトム・ギル教授にもご参加いただいた。 関谷は引き続きつくば市避難者のインタビュー録を文字化する作業、東雲の会との交流を続けた。高倉は双葉町で芸能「相馬流山踊り」の関係者からの聞き取り及び現地調査を行うと共に、比較対象としていわき市の「下仁井田獅子舞」の現地調査も行った。武田は東京電力福島第一原子力発電所事故「つくば市での避難者支援この5年」の映像アーカイブのためのインタビュー撮影を、つくば市で福島県からの広域避難者に対して、主たる支援活動を行ってきた17団体を対象に行った。箭内は(1)前年度から収集してきた映像・写真および書籍の「イメージの人類学」の観点からの検討、(2)研究プロジェクト全体活動の「まなび旅」をめぐる活動、(3)研究分担者武田直樹によるつくばでの映像制作のアドバイジング、などを行った。山下は「被災地ツーリズムの実践」の観点から研究分担を行い福島の被災状況について文献研究、上記台湾のほかギリシャでも学会報告をこなした。 一同はさらに10月31日・11月1日には「福島まなび旅」を学生数名と共に実施した。本年3月には第3回目のミーティングとまなび旅を同時進行で実施し、今後の研究計画に関して再度確認を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は最終年度である平成28年に向けて、様々な研究活動を中盤以上までに仕上げることがもくてきで、上記概要の通り振り返ると各研究分担者の方向性が見出され、それぞれに計画通り研究活動が進められている様子が確認できている。成果も様々な学会ですでに発表され始めており、最終年度に臨む準備はできているように思われる。 しかしながら、音声記録の取りまとめの停滞等、まだ計画通り進捗が見出されていない部分も残されており、期待通りの出来栄えとは言いにくい。最終年度の進捗に期待したい。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度には3年間の集大成として様々な学会報告や論文などを通して、研究の成果に関する情報発信を展開していく。インターネットを利用した映像等アーカイブデータも作成が進んでおり、共有の仕方にも研究チーム内での合議の上で適切な手続きを踏んだうえで、適宜発信できる体制が整いつつある。 科研費による助成期間は平成28年度で終了するが、福島問題はこれからも継続するので、研究活動もそれぞれの分担者によって適宜継続される見通しは得られているが、研究チームとして再度継続版の研究プロジェクトを申請するか否かに関しては、次年度中に適宜チームでミーティング等を通して最終的に判断する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が16,086円となった理由は、為替レートの変動の関係で予算額よりも出張旅費等が若干安くなったことが背景だと思われる。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度に繰り越し、分担者間で平等に分配し消化することにする。
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