研究課題/領域番号 |
26285003
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三阪 佳弘 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (30219612)
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研究分担者 |
坂口 一成 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (10507156)
阪上 眞千子 甲南大学, 法学部, 教授 (50294004)
的場 かおり 桃山学院大学, 法学部, 准教授 (50403019)
波多野 敏 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (70218486)
林 真貴子 近畿大学, 法学部, 教授 (70294006)
三成 賢次 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 理事 (90181932)
林 智良 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90258195)
田中 亜紀子 三重大学, 人文学部, 教授 (90437096)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 弁護士 / 非弁護士 / 近代市民社会 / 訴訟手続 / 法的サービス / 代言人 / 比較法史 / 紛争解決 |
研究実績の概要 |
昨年度、三阪、林真、田中による、比較の軸となる近代日本における法的サービス需要充足の構造についての報告を受け、今年度は、各国担当者によるそれぞれの国の状況についての中間報告が行われ、知見の共有が図られた。 すなわち、①中国四川大学法学院教授左衛民氏招待講義「中国刑事法律扶助と基層リーガルサービス」、②林智良研究分担者「共和政末期・元首政期ローマにおけるリーガル・サービスの周辺」、③坂口一成研究分担者「台湾の弁護士制度」、④的場かおり研究分担者「近代ドイツにおける法的需要と公証制度」、⑤阪上眞千子「イタリア中世法学と公証人」である。 東アジア(中国、韓国、台湾)について、現在急速に行われている専門家を介した訴訟手続を基軸とした司法制度改革の実態調査として、台湾について調査を行った。そこでは、①王泰升台湾大学法律学院教授「台湾日治期人民使用律師之実証研究」による最新研究成果の吸収、②都市部の台北律師会へのヒアリング調査、③非都市部の花蓮律師会へのヒアリング調査、④台湾法律扶助協会へのヒアリング調査が行われた。 こうした現地調査により、台湾が、日治期における日本の弁護士制度を継受する過程で、必ずしも法的専門家である弁護士が社会の隅々にまで配置することなく、非弁護士層が一定程度地域社会と弁護士を介在する状況が続いていたという面で日本との共通性を持っていることが判明した。と同時に、戦後の展開において、隣接法律職が一定の展開を見せるという点で日本との共通性を見て取れるとともに、弁護士の普及のありかたにおいて日本との違いも見え、日台比較の課題を見つけることができた。 以上により、日本の状況を他国と比較するための基礎的な知見の共有が一定程度進んだことが本年度の成果であり、今後日本の特徴を比較法史的によりいっそう深く検討していくことが次年度以降の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度当初に、27年度の計画として、比較の軸となる近代日本における法的サービス需要充足のあり方を前提に、当該時期における各国の状況についての報告とその知見の共有を予定するとともに、隣接東アジア諸国の実態調査を予定していた。これらのうち、前者については4回の作業部会(5カ国についての報告)でその成果を共有することができ、後者についても、台湾について実態調査を行い、当地の専門研究者による講義と、関係諸機関のヒアリング調査ができた。以上により順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
28年度についても、定期的な作業部会を開催し、残された近現代フランス、現代ドイツの各担当者が順次その作業結果を報告し、それらを受けて、再度日本担当の3名による報告を行う予定である。また、次年度についても、東アジアの現状の共同調査として、韓国調査の準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
26年度から予定していた東アジア共同調査の開始予定がずれ込んだせいで、26年度に費消すべき海外協働調査予算が積み残しとなっているためである。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度には順調に調査を開始し、28年度も海外調査費用として費消する予定である。
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