研究課題/領域番号 |
26285006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 匡彦 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80251437)
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研究分担者 |
斎藤 誠 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00186959)
磯部 哲 慶應義塾大学, 法務研究科, 教授 (00337453)
飯島 淳子 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00372285)
岩村 正彦 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60125995)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 行政法 / 社会保障法 / 医療保険 / 地方自治 / 機能自治 / 医療供給 |
研究実績の概要 |
本年度は、各メンバーが、研究計画を基本方針としつつ、自己の関心に基づいた研究を進めた。もちろんその際には、研究計画に沿って、対象とする医療供給体制整備に関わる法制度・政策の把握、関与する主体とその資格の分析にも関心が向けられた。 その中でも、医療供給体制整備における地方自治・国家行政・機能自治の交錯とそれぞれの役割を考えるための基本問題として以下の点についての考察がなされた。地方自治・国家行政との関連では、第1に、地方公共団体がその特質として区域を持つことの意味を探る検討が行われ、機能自治団体の任務との相違点の分析を通して前者の特殊性を浮き彫りにする作業がなされた。第2に、地域的利益の位置づけが考察され、地方公共団体の基礎にある(はずの)住民の地域的利益の内実の探求がなされた。第3に、地方公共団体相互の関係を分析する作業の一環として、その連携のあり方が検討された。 他方で、医療供給体制整備に関しては、第1に、医療供給に係るファイナンスを担う医療保険についての分析が行われた。すなわち、医療保険をめぐる現在の政策的状況とその特色や地方公共団体の役割の検討などがこれである。第2に、医療分野での利益配置とそれに対する規律のあり方の検討である。医薬品に関わる利益相反や臨床試験などに関する法的規律のあり方、医師の職業上の自律のあり方とその具体的な措置、健康被害救済と関連情報の活用のあり方といった諸問題を通じてこれらの問題の検討が行われた。第3に、医療供給体制整備もその一例であるところの行政による分配の構造とその手続法上の問題に関する考察などが行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
制度それ自体に関する論考は公表されていないにせよ、それを分析するための基本的視角に関する研究は進展し、すでに一部、論考も公表されているので。
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今後の研究の推進方策 |
従来の計画どおりに行う。医療供給体制整備に係る考察を公表できれば望ましいかもしれないが、分析なしの論考では紹介にしかならないので、高い必要があるわけでもない。メンバーの理論的関心に沿った分析視角から検討を深めることがヨリ重要であろう。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部は、発注した本の出版が遅延するなどの理由に基づくもの、一部は、スケジュールの都合により次年度以降の出張のために繰り越したものである。
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次年度使用額の使用計画 |
本の入手および出張については、それぞれ本年度に可能となると予測され、報告書における次年度使用額は目的に適った使用がなされる計画である。
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