研究課題/領域番号 |
26285011
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
建石 真公子 法政大学, 法学部, 教授 (20308795)
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研究分担者 |
來田 享子 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (40350946)
成澤 光 法政大学, その他部局等, 名誉教授 (50061172)
神里 彩子 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70554509)
谷口 真由美 大阪国際大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90388653)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 生殖補助医療 / 自己決定権 / 健康権 / 公衆衛生 / フランス生命倫理法 / 代理懐胎 / ヒト胚に対する研究 / 第三者の介入する生殖補助医療 |
研究実績の概要 |
生殖補助医療技術の進展は、人の生命の始まりや生命観を大きく変え、親子や家族の概念に関しても社会的に、また法的にも見直しを迫っている。しかし、日本の現状は、世界最多の施設数、世界最多の治療周期数にもかかわらず、生殖補助医療を実施している国の中で法整備の遅れている国に分類されている。このような現状を踏まえ、本研究は、人権の観点からどのような法制度が望ましいかを明らかにすることを目的として実施してきた。特に、代理母や卵子提供のような第三者の介入する生殖補助医療に関しては、政府の法案も提出されており、喫緊の課題として取り組んできた。 最終年度である2017年度は、研究成果の公表として書籍の出版のための準備を進めた。書籍の表題は、『生殖補助医療の法制化における倫理・権利・セクシュアリティー:法と政策の課題』で、執筆者は研究分担者及び報告を依頼した研究者・医師である。原稿締め切りは2018年5月末で、2018年度中に刊行の予定である。書籍の構成は、第I部として、「総論 生殖補助医療の法制化における原則ー人権・政策の観点から」として、生殖補助医療の全体に関わる人権の観点からの原則を明らかにすることを目的としている。第II部は、各論として、代理懐胎、第三者の介入する生殖医療、人工妊娠中絶を扱う。現時点での法整備における論点を明らかにした点が、本研究の意義であるといえる。 今後の課題としては、フランスとの比較研究の結果、生殖補助医療のグローバル化、またアジア的な家族観を持つ日本において、フランスのような厳格な人権保護に基づいた法制度と、イギリスのようなプラグマチックな法制度との間で、どのような選択をすることがより弱者の権利保護となるのかについて検討が必要である。
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