病腎移植に関する刑事法上の諸問題の総合的検討

2016 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 26285017
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 城下 裕二 北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90226332)
• 研究分担者: 山本 輝之 成城大学, 法学部, 教授 (00182634) ; 湯沢 賢治 独立行政法人国立病院機構水戸医療センター(臨床研究部), 臓器移植外科, 臨床研究部長 (10240160) ; 柑本 美和 東海大学, 専門職大学院実務法学研究科, 教授 (30365689) ; 武藤 香織 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50345766) ; 佐藤 雄一郎 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (70326031) ; 平野 美紀 香川大学, 法学部, 教授 (70432771) ; 奥田 純一郎 上智大学, 法学部, 教授 (90349019)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: 病腎移植 / 臓器移植 / 臨床研究 / 自己決定権 / 正当業務行為

研究実績の概要

本研究課題の最終年度である2016年度は、疾患のある（あった）臓器の移植規制に関する海外の動向を踏まえて、わが国における今後の議論に資すべく、国際ワークショップ「病腎移植をめぐる法的諸問題―ドナーの拡大はどこまで可能か？―」を企画し、2016年12月11日、北海道大学・東京オフィス（丸の内）において開催した。基調報告は、Matthew Dyson（オックスフォード大学法学部准教授）、Yang Choul Woo（韓国カトリック大学医学部教授）、奥田純一郎（上智大学法学部教授・研究分担者）の各氏であった。Dyson准教授からは、臓器移植後に、臓器に起因するドナーの発病ないし死亡事故があった場合に、イギリス法において可能な法的対応についての提案がなされた。Yang教授からは、日本において、病腎移植を実施することが臓器不足を解消するための手段となりうるのかについて、慎重な見解が表明された。また奥田教授からは、「死体移植が原則であり、生体移植は例外」というこれまでの前提に懐疑的な立場から、病腎移植において問われていることは、現在の移植医療の「常識」の欺瞞性であるとの指摘がなされた。基調報告の後に、参加者相互によるディスカッションを実施した。
本ワークショップにおける奥田報告については、近く論文での公刊が予定されており、Dyson報告についても翻訳の公表が計画されている。なお、研究代表者の城下により、同翻訳に関連した調査を行うため、2017年3月に、オックスフォード大学のDyson准教授の下での検討会が実施された。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

28年度が最終年度であるため、記入しない。

備考

本研究課題に基づき、研究代表者が２０１６年にケンブリッジ大学法学部付属の法学・医学・生命科学センターに客員研究員として滞在した際の、プロフィールおよび研究内容の紹介

研究成果

• [雑誌論文] 生命倫理における人間像――物語としての人生 (2017)
  • 著者名/発表者名: 奥田純一郎
  • 雑誌名: 矢島基美・小林真紀編集代表『いのち、裁判と法――比較法の>新たな潮流（滝澤正先生古希記念論文集）』 巻: - ページ: 2-16
  • DOI: -
• [雑誌論文] 日本移植学会2015年症例登録統計報告 (2016)
  • 著者名/発表者名: 湯沢賢治
  • 雑誌名: 移植 巻: 51 ページ: 115-116
  • DOI: 10.11386/jst.51.2-3_115
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 腎移植臨床登録集計報告(2016)2015年実施症例の集計報告と追跡調査結果 (2016)
  • 著者名/発表者名: 湯沢賢治
  • 雑誌名: 移植 巻: 51 ページ: 124-144
  • DOI: 10.11386/jst.51.2-3_124
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] わが国における臓器移植のための臓器摘出の現状と実績 (2016)
  • 著者名/発表者名: 湯沢賢治
  • 雑誌名: 移植 巻: 51 ページ: 117-123
  • DOI: 10.11386/jst.51.2-3_117
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] Terminal Care and Criminal Law:Focusing on the precedents in Japan (2017)
  • 著者名/発表者名: 城下裕二
  • 学会等名: Humans & Machines in Medical Contexts: Case studies from Japan
  • 発表場所: ドイツ日本研究所（東京都・千代田区）
  • 年月日: 2017-03-31
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 臨床研究における患者の同意について (2017)
  • 著者名/発表者名: 平野美紀
  • 学会等名: 院内研究倫理セミナー
  • 発表場所: KKR高松病院（香川県・高松市）
  • 年月日: 2017-03-27
  • 招待講演
• [学会発表] 世界におけるABO血液型不適合腎移植の実状 (2017)
  • 著者名/発表者名: 湯沢賢治
  • 学会等名: 第50回日本臨床腎移植学会
  • 発表場所: 神戸コンベンションセンター(兵庫県・神戸市)
  • 年月日: 2017-02-16
  • 招待講演
• [学会発表] 病腎移植の倫理的課題―自己決定権の見地から― (2016)
  • 著者名/発表者名: 奥田純一郎
  • 学会等名: 国際ワークショップ・病腎移植をめぐる法的諸問題
  • 発表場所: 北海道大学・東京オフィス（東京都・千代田区）
  • 年月日: 2016-12-11
  • 招待講演
• [学会発表] わが国における強制入院制度の問題点について (2016)
  • 著者名/発表者名: 山本輝之
  • 学会等名: 平成28年度全国精神医療審査会連絡協議会
  • 発表場所: 石川県立音楽堂（石川県・金沢市）
  • 年月日: 2016-10-29
  • 招待講演
• [学会発表] 高齢者腎移植の現状 (2016)
  • 著者名/発表者名: 湯沢賢治
  • 学会等名: 第32回日本腎移植・血管外科研究会
  • 発表場所: ホテル日航姫路(兵庫県・姫路市)
  • 年月日: 2016-05-29
  • 招待講演
• [学会発表] Development of psychological care programs for organ transplantation recipients (2016)
  • 著者名/発表者名: 湯沢賢治
  • 学会等名: Ｔｒansplantation Science Symposium(TSS) Asian Regional Meeting 2016
  • 発表場所: KFCホール（東京都・墨田区）
  • 年月日: 2016-04-08
  • 国際学会
• [図書] バイオバンクの展開――人間の尊厳と医科学研究―― (2016)
  • 著者名/発表者名: 奥田純一郎／深尾立〔共編〕
  • 総ページ数: 381
  • 出版者: 上智大学出版
• [備考] Centre for Law, Medicine and Life Sciences
  • URL: http://www.lml.law.cam.ac.uk/people/visiting-scholars-1/shiroshita
• [学会・シンポジウム開催] 病腎移植をめぐる法的諸問題―ドナーの拡大はどこまで可能か Workshop on the legal issues of "Diseased Kidney Transplantation" : A Possibility of extended criteria donors? (2016)
  • 発表場所: 北海道大学・東京オフィス(東京都・千代田区）
  • 年月日: 2016-12-11 – 2016-12-11