研究課題/領域番号 |
26285028
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
関口 正司 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60163101)
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研究分担者 |
平石 耕 成蹊大学, 法学部, 教授 (00507105)
石田 雅樹 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (10626914)
蓮見 二郎 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (40532437)
井柳 美紀 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (50420055)
施 光恒 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 准教授 (70372753)
鏑木 政彦 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (80336057)
竹島 博之 東洋大学, 法学部, 教授 (90346734)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 政治リテラシー / シティズンシップ / 市民教育 / 政治学教育 / 西洋政治思想史 / 政治哲学 |
研究実績の概要 |
(1)研究活動の概要:平成26年5月、政治思想学会のパネル「主権国家体制のゆらぎと政治教育・市民教育の課題」において、研究チームのメンバーである蓮見がイギリスのシティズンシップ教育について研究発表(招待講演)を行なった。これをキックオフとして、研究チーム全体として取組を開始した。12月20日には九州大学で研究会を実施して、各自の研究の進捗状況を報告し、また、同日、九州大学政治研究会で、石田と関口が研究発表を行なった。 (1)歴史・思想研究の状況と成果:石田によるリップマン研究、井柳によるルソーからミルに至るまでの市民教育論研究、教養の理念に注目して市民の政治的陶冶の問題を掘り下げた竹島のブルクハルト研究、政治と宗教という視角から政治リテラシーを捉えるという問題意識に即した鏑木のニーチェ研究が進められた。 (2)現代理論研究の状況と成果:関口が、クリックの政治リテラシー論やクリック・レポートに準拠して、政治リテラシーを実際の授業の達成指標と関連づける研究を行なった。平石は市民教育の前提にある「市民」や「市民社会」が現代のイギリスでどうイメージされているか探究し(研究成果の講評は、掲載図書の刊行遅延のため、27年度初頭となる予定)、蓮見は『クリック・レポート』以後のイギリス(特にイングランド)の政策動向や政治理論上の言説の系統的整理に取り組んだ。また、施は、公民的資質という観点から、「グローバル人材」養成の問題点を掘り下げる議論を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
歴史・思想研究と、現代理論研究という二つの柱のいずれにおいても、当初の26年度計画に即して順調に進んでおり、その実際の成果も、研究会・学会での発表や刊行論文の形で着実に示されている。 さらに、実際の政治リテラシー教育への応用という面で、無理に新規授業をデザインするのではなく、既存の授業を活用するという現実的観点から、政治リテラシーと種々の学習達成度の関連を探る作業を、当初の予想以上に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に進められた歴史・思想研究と現代理論研究をいっそう発展させるとともに、27年度計画として当初より企図した点として、これらの研究をカリキュラム開発に活用し、かつ、カリキュラム開発における課題や問題点の把握を、歴史・思想研究や現代理論研究に反映させることで、研究全体のさらなる前進を図る。 特に、①政治リテラシーとナショナリズムや多文化主義との関連、②そうした関連を持つことによるシティズンシップの範囲の変容、③実際の試行をともなったカリキュラム開発のより具体的な推進を図る予定である。
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