研究課題/領域番号 |
26285034
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
中田 瑞穂 明治学院大学, 国際学部, 教授 (70386506)
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研究分担者 |
戸澤 英典 東北大学, 法学研究科, 教授 (20335326)
網谷 龍介 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (40251433)
八十田 博人 共立女子大学, 国際学部, 教授 (70444502)
板橋 拓己 成蹊大学, 法学部, 教授 (80507153)
上原 良子 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (90310549)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 政治学 / ヨーロッパ政治史 / 比較政治 / 欧州統合 / 戦後改革 |
研究実績の概要 |
平成29年度は本研究プロジェクトの四年目に当たり、共同研究のまとめに入った。 研究に必要な文献について、各自、新刊書を中心に収集を継続した。またチェコスロヴァキアの第二次世界大戦中のロンドン亡命政権の戦後構想については、追加的現地調査を実施し、入手困難な文献の購入・複写、文書館の未公開資料の探索などを実施した。またドイツについても、ボンのフリードリッヒ・エーベルト財団に戦後体制の構築についての資料調査を実施した。 これらと並行して、今年度は、共同研究の成果を学会と共有するための学会報告を二つの学会で実施した。まず、2017年6月には中田と網谷が、もう一名の研究者と共に本共同研究の政党政治と新秩序構想に光を当てたパネルを立て報告を行った。2017年9月の日本政治学会では上原、八十田が、やはり本科研の研究会に参加した研究者と共にパネルを組み、欧州統合と新秩序構想に焦点を絞った研究報告を行った。報告についてはワーキングペーパーを作成し、後者のパネルでは日本研究者を討論者に迎え、活発な議論が行われた。メンバー中心に実施した研究会では、分担者の戸澤がドイツからアメリカ亡命者の戦後構想を、また同じく分担者の板橋はハルシュタインの構想についての研究報告を行った。 これらの研究報告をもとに、最終的な研究報告集の作成を検討し、2018年度中に論文集を出版することが決定した。その最終調整のために、2018年度の科研費の一部を2019年度に持ち越して、研究会を何度か実施する計画である。なお、平成26年度に立ち上げた本研究のウェブサイト「European New Order after the WWII」では、これらの学会のパネル、研究会の成果や、文献リストを公開している。https://sites.google.com/site/europeanneworderafterthewwii/
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地での史料収集、文献収集、枠組み作りのための研究会はそれぞれ計画通り進んだ。研究公開については、国内の二つの学会にパネルを立て、いずれも多数の聴衆を集めて研究成果を報告し、ワーキングペーパーを作成、公開することができた。さらに、これらのワーキングペーパーをに、他の研究分担者の書下ろし原稿を加えた論文集の2019年度中の出版が決まっている。ウェブサイトによって、情報の共有、公開も実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度には共同研究の成果を学会報告、ワーキングペーパーの形で公開することができたが、戦後構想について共通の分析枠組みに基づいた共同研究は類を見ないものであり、論文集としての出版を模索した。その結果、引き受け出版社が決まり、2019年度中の出版を予定している。2019年度には、論文内容のすり合わせのための打ち合わせ研究会を二度ほど開催する。その際、必要であれば共同研究グループ外の専門家を招き、論文集に対する意見をいただくことを考えている。また、先行研究のアップデイトのための新刊書の購入を若干行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本共同研究の成果は、すでにワーキングペーパーとして公開済みであるが、出版社との交渉の結果、さらに論文集として公刊することが決まった。出版は2018年度中となる予定である。それまでに、新たに出版される関連文献のフォローや、編集のための研究会を実施するために期間を延長する。
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