研究課題/領域番号 |
26285036
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
山田 真裕 関西学院大学, 法学部, 教授 (40260468)
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研究分担者 |
三浦 麻子 関西学院大学, 文学部, 教授 (30273569)
善教 将大 関西学院大学, 法学部, 助教 (50625085)
小林 哲郎 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (60455194)
尾野 嘉邦 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (70598664)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | DK回答 / 社会的望ましさ / 政治的無知 / 政治的能力 / 政治文化 |
研究実績の概要 |
2014年度は日米の学生を対象とするサーヴェイ実験を行った.日本の大学は関西学院大学,東北大学,神戸大学,学習院大学,東京女子大学,京都女子大学であり,アメリカの大学はウィスコンシン州立大学マディソン,ノースウェスタン大学である.日本の学生データは約500件,アメリカの学生データは307件である. 実験のコンポーネントとしては世界価値観調査におけるジェンダーならびに外国人への態度関連の項目を選び,回答に際して多数派情報を与えるか否かによって,回答分布が異なるかどうか,特にDKの割合が変化するかどうかを確認した. 世界価値観調査から設問を選択した理由は,(1)回答に社会的望ましさが大きく関連すると思われること,(2)世界価値観調査においては英語版と日本語版の設問がすでにあり,バックトランスレーションなどの手間がかからないこと,などが主な理由である. また,2014年12月投票の解散総選挙においても選挙後に一般有権者を対象としてサーヴェイを行なったが,そこにも同様の実験コンポーネントを埋め込んだ.これによって日本の中で学生と一般有権者を比較することが可能となった. これらの分析結果については今後逐次,研究や学会などで報告するとともに(2015年5月の日本選挙学会研究大会において報告予定),論文にまとめ学術誌に投稿予定である.ただしこれらは基本的にパイロット実験である.この実験データの分析を今後進め,その成果と反省を踏まえて2015年度に行う本実験のコンポーネントを作成する. なお文献情報の集積,これまでのサーヴェイ・データにおけるDK回答の分析は並行して進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画においては,2014年度学生対象の実験をwebおよび実験室実験として行う予定であったが,申請した予算がカットされた関係上,webを使ったサーヴェイ実験に絞らざるを得なかった.ただし,当初は学生を対象としたサーヴェイ実験のみを予定していたが,衆議院の解散総選挙があったため,選挙後に一般有権者を対象とするサーヴェイ実験を行いデータを得ることができた.
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今後の研究の推進方策 |
2015年度においては第1に,2014年度に得られた実験データの分析を進め,その成果と反省を踏まえて2015年度に行う本実験のコンポーネントを作成し,日米の有権者を比較するための実験を行う.第2に,これまで得られた実験データ分析からの知見を論文としてまとめ,学会や研究会で報告し,コメントを得つつ修正を施していく.最終的には英文での出版を目標にする. 2016年度においては前年度,前々年度に得られたデータ分析の結果をまとめ,論文を作成し,国内外の学会,研究会での報告を重ね,そこでのコメントを踏まえて投稿論文を完成させる.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験室実験を断念したため,実験用プログラム開発や実験用PCなどの購入などを見送り経費の一部が浮いたため.
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度においては米国での有権者を対象とした大規模なサーヴェイ実験を予定しており,そのための費用に加算する.
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備考 |
(2)は研究チーム内の連絡用であり非公開.
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