研究実績の概要 |
今年度は研究成果を報告し,投稿論文を作成するなどの活動が中心となっている.結果的に査読論文3編(うち国際査読誌に2編),非査読論文3編,書籍(近刊)1編,ブック・チャプター1編,学会発表8回(うち招待講演2回)の活動成果を得ている. そのうちの中心的な成果は2016年のアメリカ政治学会(American Political Science Association)大会における報告論文Yamada and Ono "Don't Know Responses and Cultural Differences."にまとめられている.これは日米における有権者の「わからない」という回答の現れ方の文化差を実験的手法で確認したものである.この研究ではアメリカにおいて社会的望ましさバイアス(social desirability bias)のかかりやすいジェンダー,移民問題が,日本においてはそうではないという知見も得ている.現在この論文はさらに修正を加えて投稿を準備中である. また善教・秦論文(近刊)は,政党を拒否する層に対して政党情報を提示することがDK率を有意に高める場合があることを,サーヴェイ実験によって示した. なお副次的な成果として,Burden, Ono, Yamada論文はThe Journal of Politicsへの掲載が決まっている.本論文はアメリカにおける女性大統領嫌悪意識について再検討したもので,女性大統領誕生への反対が先行研究に比べ半減していること,反対者が特定の社会階層に偏っていること,民主党支持者において女性大統領誕生への抵抗意識が無くなっていることを明らかにしている.
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