研究課題
経済外交においては、国家間の公式の制度の枠内で行われる交渉だけでなく、民間を含めた人的つながりに多くを依存する国際的な非公式の協議ネットワークを通じて行われるアジェンダ・セッティングや利益・不利益配分が重要な意味をもつ。このことは漠然と知られておりながら、資料の制約から、学術的に体系的な形で取り組まれたことはほとんどなかった。本研究課題では、資源エネルギーと通貨を中心とした日本の経済外交において、国際的な非公式の協議ネットワークにいかなる形で参入していったのか、オーラル・ヒストリーを含む史資料の収集を行い、その成果を多くの資料集として刊行して、専門研究者の利用に供することができた。本研究課題は平成28年度までに所定の目的をほぼ達成したが、予想より多くの重要な史資料が収集されたため、それらの史資料の全体像をめぐる最終報告書の刊行を目的として一年間期間を延長した。その結果、平成29年度には、日本の対中東との経済外交で歴史的に特に重要な問題であるイラン・ジャパン石油化学(IJPC)に関して、史資料の所在と収集状況・公開状況をめぐる論集を刊行し、また、重要資料の改題を付した翻訳の刊行を行った。それらの成果は 池内恵編『IJPC研究の現状と課題 資料の所在と公開状況』(東京大学先端科学技術研究センター)を、資料集 としてはケイワン・アブドリ編訳・解説(鈴木均翻訳監修)『抄訳 ハサン・ロウハーニー回顧録』(東京大学先端科学技術研究センター)として印刷・刊行された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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中東レビュー
巻: 第5巻 ページ: 6-12
政治思想研究
巻: 第18号 ページ: 71-106
季刊アラブ
巻: 第162号 ページ: 2-4
UP
巻: 第47巻第3号・通巻545号 ページ: 40-46
CISTECジャーナル
巻: 通巻174号 ページ: 111-116