入札談合の経済分析として、一位不動の現象(一度入札が不調となった後に行われる再入札でも、最初の入札の時に最適価格を入札した者が再び最低入札価格を入札していることから、事前に落札者を談合で決めていた疑いが高いとされる)から入札が談合によって行われていたことを識別する手法についてとりまとめた。使用したデータは2003年から2006年にかけて全国で発注された国土交通省の公共工事の入札結果で、多くの入札が競争的に行われていない可能性をしさするものであった。研究成果は専門雑誌Econometricaに投稿し、同紙より得ているリバイス・リサブミットリクエストをえた。そこで、論文の修正作業をおこなった。 また、同様の手法をもとに地方公共団体の入札結果データについて入札談合の分析を行うべく、東北地方6県内市町村の227団体すべてに対して提供依頼を行い、また、必要な団体については情報公開請求を行った。その結果、122の団体の2009年から2014年分のデータの受け取りを完了した。紙媒体の入札結果情報をデータ化し、公正取引委員会と共同で統計分析を行った。
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