研究課題/領域番号 |
26285061
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
安藤 至大 日本大学, 総合科学研究所, 准教授 (80377126)
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研究分担者 |
村田 安寧 日本大学, 総合科学研究所, 教授 (40336508)
丸田 利昌 日本大学, 総合科学研究所, 教授 (60295730)
村上 直樹 日本大学, 総合科学研究所, 教授 (80174275)
北原 稔 大阪市立大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (80468727)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 経済政策 / 労働経済学 / 法と経済学 / 都市経済学 |
研究実績の概要 |
本研究の3年目にあたる平成28年度は、研究計画に従い、次の取り組みを行った。 (1)研究論文の執筆・出版:まず安藤至大(2017)「自治体間の住民誘致競争がもたらす非効率性」『都市住宅学』では、自治体が住民を誘致するために独自に行う取り組みが囚人のジレンマの状況を生み出すことを指摘し、必要な対策について議論した。また安藤至大(2017)「不動産取引の仲介サービスと事業規制のあり方」『土地総合研究』では、不動産仲介サービスに対する様々な規制が住宅市場に与える影響について検討し、また他分野の仲介サービス規制との比較検討を行った。そして安藤至大(2017)特集この概念の意味するところ「労働市場とは:経済学の視点から」『日本労働研究雑誌』では、労働市場とは何かという基礎的な内容の整理を行った。 (2)研究成果の公表を目的としたパネルディスカッション等への参加:まず日本不動産学会2016年度秋季全国大会(日本大学)パネルディスカッション「建築確認制度の法的諸問題」に登壇し、建築規制と実運用のあり方が住人の生活に与える影響についての議論を行った。また第24回都市住宅学会学術講演会(日本大学)ワークショップ「東日本大震災から熊本地震へ ―住まいの支援と「被災地のリレー」―」に登壇し、大震災により住居と仕事を失った人たちの生活再建について、どのように考えれば良いのかについて経済学の視点から討議を行なった。 (3)平成27年度のパネルディスカッション内容の公開:金貞均、近山恵子、堀崎真一、安藤至大、大月敏雄(2016)「ワークショップ:高齢者の居住をどう支え得るのか?」『都市住宅学』93号、浅見泰司、阿部泰隆、安藤至大、越智敏裕、福井秀夫、富田裕(2016)「ワークショップ:行政事件訴訟法の問題点と再改正の可能性ーまちづくり紛争を題材に」『都市住宅学』93号が出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、住宅市場における規制や介入が労働市場における企業や労働者のパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、また逆方向にはどのような影響があるのかを分析し、市場間の相互依存関係を考慮した政策立案のあり方を考察するものである。 住宅市場と労働市場の間に存在する相互依存関係の例として研究計画を立てる時点では、次のようなものを例示していた。「例えば,学卒時に企業に就職し,30歳代で住宅を長期ローンで購入したケースを考えてみたい。このとき住宅の借り手を探すことや売却が難しい場合には,労働者の転職可能な地域が,現在の住居から通勤できる範囲に限られるだろう。つまりミスマッチが解消されにくいことになる。これは住宅市場が労働市場に影響を与える一例である。また労働市場が住宅市場に影響を与えることも多い。例えば,失業率が低く雇用が安定している場合や,仕事を失った場合でも次の仕事を見つけやすい場合には,賃貸住宅の契約や不動産売買時のローン契約が容易になるだろう。」 しかし2016年4月に発生した熊本地震を契機に、大災害が起こった場合に、短期的に誰がどこに住んでどこで働くべきか、また中長期的には被災地での生活を復興すべきかといった興味深くかつ政策的に重要な課題への応用が可能であることがわかり、研究範囲を広げることになった。 そのため基礎的な調査等に時間をかけたことから、予定よりも研究の進展は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、住宅市場における規制や介入が労働市場における企業や労働者のパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、また逆方向にはどのような影響があるのかを分析し、市場間の相互依存関係を考慮した政策立案のあり方を考察するものである。基礎的な調査等に時間をかけたことから、1年間の延長が可能となれば、より意味のある政策提言を行うことができる。 平成29年度の期間延長が認められたため、政策的介入の波及効果の測定についての研究、また具体的な政策評価についての取り組みを行う。また平成28年度に引き続き、研究論文の公表とパネルディスカッション等への参加を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、住宅市場における規制や介入が労働市場における企業や労働者のパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、また逆方向にはどのような影響があるのかを分析し、市場間の相互依存関係を考慮した政策立案のあり方を考察するものである。住宅市場と労働市場の間に存在する相互依存関係の例として研究計画を立てる時点では、住宅ローンと転職可能性などを考えていた。 しかし2016年4月に発生した熊本地震を契機に、大災害が起こった場合に、短期的に誰がどこに住んでどこで働くべきか、また中長期的には被災地での生活を復興すべきかといった興味深くかつ政策的に重要な課題への応用が可能であることがわかり、研究範囲を広げることになった。そのため基礎的な調査等に時間をかけたことから、予定よりも研究の進展は遅れている。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究では、住宅市場における規制や介入が労働市場における企業や労働者のパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、また逆方向にはどのような影響があるのかを分析し、市場間の相互依存関係を考慮した政策立案のあり方を考察するものである。基礎的な調査等に時間をかけたことから、1年間の延長が可能となれば、より意味のある政策提言を行うことができる。 平成29年度の期間延長が認められたため、政策的介入の波及効果の測定についての研究、また具体的な政策評価についての取り組みを行う。また平成28年度に引き続き、研究論文の公表とパネルディスカッション等への参加を行う。
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