本研究では、政府統計のミクロデータ及び独自の調査の結果を使用してサービス産業の生産性について分析を行い、様々な新しい知見を得た。第一に、サービス事業所の生産性に対して、需要側の要因が大きく影響する。第二に、サービスの質の向上が、既存統計では過小評価されている。第三に、イノベーションやグローバル化が、サービス産業の生産性向上に寄与する。第四に、職業資格制度や労働市場規制は、サービス企業の生産性に負の影響を持つ。第五に、教育訓練投資が生産性を高める効果は、サービス企業において顕著である。第六に、政策の先行き不確実性は、企業の生産性向上努力を阻害する。
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