研究課題/領域番号 |
26285070
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
須齋 正幸 長崎大学, 経済学部, 教授 (40206454)
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研究分担者 |
森保 洋 長崎大学, 経済学部, 教授 (10304924)
鳥海 不二夫 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30377775)
吉田 裕司 滋賀大学, 経済学部, 教授 (40309737)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 人工市場 / 社会行動バイアス / 市場の効率性 |
研究実績の概要 |
本年度は取引データを用いた実証分析の分野では、東京、ニューヨーク、ロンドンに注目したディーラーの取引行動を、デュレーションモデルを用いて解析した。そこでは、リミットオーダー、マーケットオーダーとも、東京市場では有意な相違が検出されたが、他の市場では有意な相違は検出されなかった。この傾向は、主要通貨間では同じものが示された。 人工市場分野では、社会心理学のバイアスを考慮したエージェントを作成し、そのもとでの市場構造の解析を開始した。本年度はエージェントの取引行動に行動バイアスを考慮する作業をほぼ終了し、次年度で、人工市場の解析を開始する基盤を整備した。 心理学実験分野では、行動バイアスを検証するためのプログラムの開発を進め、ほぼ完成する段階に至った。また、海外のビジネススクールにおける実験の準備も整い、次年度はこれらを使って心理学実験の国際比較を開始する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実証実験分野では、データセットの整備が終了している。また実証分析のモデルも開発も終了しているので、次年度は実証分析を実施する準備が整っている。 人工市場分野でも、社会行動バイアスを考慮したエージェントの開発が最終段階に至っているので、次年度はこのエージェントを完成させ、人工市場の構築が完成する予定である。 心理学実験分野では、実験用のコンピュータプログラムの開発が最終段階に至っており、コンピュータ実験と同時に実施するアンケートの作成を次年度前半に終了することで、次年度後半には海外での心理学実験を実施する準備が整う。
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今後の研究の推進方策 |
本年度までに準備が整った実証分析、人工市場分析、そして心理学実験分野の研究を進め、本年度後半にはそれぞれの成果を統合する段階へと進む。心理学実験の進捗が予定より遅れているため、この研究のスピードを上げ、その研究成果を反映させた人工市場の構築を進め、社会心理学バイアスの存在と為替レートの変動特性、市場ごとの変動特性の解明を進める。 また、個別の成果を公表するとともに、それぞれの成果を統合する段階へと進む。
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次年度使用額が生じた理由 |
心理学実験のアンケートの作成を翌年度に変更したため。
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次年度使用額の使用計画 |
心理学実験のアンケートを作成するために使用する。
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