研究代表者の佐藤正広は、平成28年度、川島孝彦元統計局長のアーカイブを整理し、その結果を平成29年3月に『近代統計発達史文庫目録』(一橋大学経済研究所附属社会科学統計情報研究センター、統計資料シリーズNo.73)として刊行した。また、平成28年11月30日には、一橋大学経済研究所の定例研究会において本研究の成果の一部を報告した。その成果は『経済研究』第68巻第1号(平成29年1月)に「両大戦間期における政府統計の信頼性―統計編成業務の諸問題とデータの精度について―」(46-63ページ)に掲載された。さらに、平成29年3月3日には、総務省統計研修所(現・統計研修研究所)において「川島孝彦―その人物像と統計―」と題して講演を行った。その原稿は、近日中に同研修所からディスカッション・ペーパーとして刊行される。また、期間内に実現しなかったが、現在、経済統計学会の機関誌『統計学』創刊50周年記念号に、統計史の特集を組んで研究の成果を発表するべく準備を進めている。さらに平成30年1月に刊行予定の『経済研究』で、日本統計発達史の特集を組み、本研究の成果を公表することが決まっている。この特集には研究代表者の他、連携研究者である上藤一郎、研究協力者である山口幸三の両氏が研究成果を執筆する。 連携研究者では上藤一郎氏が経済統計学科第60回全国研究大会(平成28年9月13日、鹿児島大学)で、「戦前期における日本の数理統計学と公的統計」を発表した。 また研究協力者では小林良行氏が経済統計学科第60回全国研究大会(同上)で「統計家としての柳澤保恵」を報告した。また、同じく研究協力者である山口幸三氏が、経済統計学科第60回全国研究大会(同上)で「戦前と戦後の失業に関する統計調査」を発表した。
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