研究課題
3年間の共同研究の成果をまとめるために、2016年6月4日(京都大学)と8月22・23日(神戸ユニオンホテル)で海外研究者も招聘して研究会を開催した。これらの共同研究の中間成果を2つの形態で学界に公表し、分担者、提携者、協力者の全員が参加し議論した。一つは、政治経済学・経済史学会秋季大会パネルデスカッションである(2016年 10月22日 立教大) テーマは「戦後東アジア社会経済の再編成と石油産業」であり、次の報告をおこなった。東アジアの近代的エネルギー供給構造の特徴 堀和生、韓国精油産業の成立とエネルギー転換 林采成、国家と石油開発政策 洪紹洋、戦後国民政府と石油産業 萩原充、コメント 小堀聡 浅野豊美。従来、石油メジャーの圧倒的な支配のみが強調されてきたが、東アジアのエネルギー供給構造の歴史的特徴を踏まえ、各国政府と企業の主体的行動と選択の分析によって、メジャーによる圧倒的な市場支配という評価を再検討し、現在の東アジアエネルギー論の新しい捉え方を提起した。いまひとつは、自主開催の公開セミナーである(2017年3月6日)。テーマは「東アジア工業化に関する歴史的研究―中国と日本を中心に―」で、次の報告をおこなった。東アジア工業化の捉え方 中国 久保亨、東アジア工業化の捉え方 日本 堀和生、中国の貿易 木越義則、中国の繊維産業 富澤芳亜、中国の鉄鋼業 加島潤、中国の化学工業 峰毅、コメント 朱蔭貴、丸川知雄、厳善平。中国研究における時代的な分断状況を克服するために、民国期、計画経済期、改革開放期を繋ぐ重要産業の発展を明らかにした。合わせて、中国と日本の工業発展と比較した場合、大きな外形的相違のもとに、農業・小経営基盤と国内市場の拡大に基づいた経済発展という視角を設定できるのではないかという問題も提起でした。2017年後半に本プロジェクトの成果論文集の作成をはかる。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 図書 (7件)
『経済史研究』
巻: 20 ページ: 47-96
『近代中国研究彙報』
巻: 38 ページ: 23-53
釧路公立大学紀要紀要 社会科学研究
巻: 20 ページ: 129-146
『エネルギー史研究 : 石炭を中心として』
巻: 32号 ページ: 15-37
『立教経済学研究』
巻: 70巻3号 ページ: 71-94
The Review of Korean Studies
巻: Vol.19, No.1 ページ: 75-110
『歴史と経済』
巻: 58巻3号 ページ: 28-36