| 研究課題/領域番号 |
26285077
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| 研究機関 | 高千穂大学 |
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研究代表者 |
大島 久幸 高千穂大学, 経営学部, 教授 (40327995)
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| 研究分担者 |
中林 真幸 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60302676)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 経済史 / 内部労働市場 / 昇進 / 賃金動態 / 総合商社 / 三井物産 |
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| 研究実績の概要 |
総合商社の人材形成に関する研究は、この20年ほどの間に戦前期最大手であった三井物産を中心に活発化している。しかし、従来用いられてきた「職員録」では担当掛と限られた職位しか判明せず、総合商社がどのような能力を必要とし、蓄積したのかを十分解明することはできなかった。本研究では、海外で収集し新たに用いる「三井物産使用人録(特別職員録)」によって、1916年から1944年までの29年間の三井物産の全社員の「年齢」「入社年」「出身校(卒業年を含む)」「職種」「職階」「給与」「生年」「出身地」等の情報をすべてデータ化し、同社社員の職歴形成の実態を解明する。個体情報の深さと対象期間の両面において国際的にも得難い規模のパネルデータを構築して総合商社の効率性を解明するとともに、企業組織一般の効率性をも分析する視点を提供することが目的である。
分析に当たっては29年間分の使用人録(特別職員録)に記載されている基本情報をすべてデータ化する。すでに今年度までに22,000件のデータが入力済みであり、各年度13,000件程度を目途にデータ入力を進めることで、研究期間内での基本情報入力とデータ化を完了させる。すでに入力が完了した基本情報分については、研究分担者の指示監督のもと専門の支援職員に作業を依頼して、データチェック・ID化作業を進めている。
今後、データから得られた成果については、適宜国内はもとより海外の関連学会において報告し、専門性の高い助言を得て成果の充実を図る。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データの構築は大まかに、資料を入力する作業と、それを分析に堪えうる精度を持つデータに編み上げる作業とに大別される。このうち、前者は単純作業であるが、後者には高度な熟練を要する。そこで、本計画においては、前者については外部業者も活用しながら早期の入力作業完成を目指し、データ構築については、技能を鍛えられた学術支援職員の業務時間を集中的に投下することによって、執行予算の制約と生産性の向上を図っている。具体的には粗入力済ませた電子化資料に基づいて、個人を同定する作業や、再編される組織の継続性を考えて職歴を同定する作業が必要となり、その上で、それら一つ一つを変数に置き換える作業が必要になる。今年度は先行して作業を進める必要がある粗入力を進めつつ、昨年度までに入力を完了した情報についてデータ化する前提となる基礎作業を行った。その結果、各年度入力予定件数を上回る入力作業が完了した。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度は次年度に引き続き、使用人録(特別職員録)の基本情報について、粗入力を進めるほか、既入力の基本情報について本格的なID化などのデータ加工作業を進める。なお、ID 化と分析にあたって部署単位の業績データが必要との認識から新たに業績データについても試験的に粗入力を開始する。さらに、入力の前提となる海外所蔵資料については関連資料も含めて海外調査を実施する。
加工済みデータに基づく分析結果については、定期的に実施されている本プロジェクトの研究会(月1回)で内容を検討し、併せて順次国内の学会はもとより国際学会において報告する予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本研究の内容は、大まかに資料の入力作業とデータ化作業とに分けられる。当初の予定では基本情報の入力作業とデータ化を同時並行的に進める予定であったが、基本情報の全体像が分からないままデータ化を進めた場合に大幅な再調整の必要性が生じることが懸念されたため、基本情報の入力を先行して進め、データ化作業については試験的な作業に止めた。その結果、データ化作業の監督等を専ら行う分担者の作業が次年度以降に繰り越され、次年度使用額が発生した。
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| 次年度使用額の使用計画 |
本年度はすでに入力作業を終えたデータ件数が一定程度確保できたので、本格的にデータチェック・ID化作業を進め、得られたデータをもとに分析するという一連の作業を開始する。以上を通じて、前年度支出予定額についても執行される予定である。
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