最終年度に当たる本年度(1年延長)は、日本のサイエンス型産業がデジタル・コンバージェンス時代の境界破壊型の流れに喘いでいる様子を、これまでの聞き取り調査に基づいて『進化可能性の高いモジュール構造:仮想統合の鍵としてのシノプシス』(近刊)というタイトルの論文に至っているで。著者は、本申請者と中屋雅夫氏(元STARC社長)、同じ学部の同僚で准教授の久保田達也氏である。また、半導体設計ツール関連で採用が進みつつある人工知能分野の発展を探るために、特に最近の脳型人工知能プロセッサーの研究開発に関連して、次のようなディスカッションペーパーを執筆した。1)中馬宏之・今井正治・黒川利明『人的資本/Human Intelligenceと脳模倣型人工知能/Neuromorphic AI: インテリジェンスという視点から』(経済産業研究所ポリシィディスカッションペーパー、2017年11月、17-P-031)。本DPに関連しては、いかの三つのDPも執筆した。2)戸田淳仁・中馬宏之・林晋・久米功一『第4次産業革命における管理職の役割:日米比較の観点から』(経済産業研究所ディスカッションペーパー、2017年10月、17-J-062)、3)久米功一・中馬宏之・林晋・戸田淳仁『人工知能等の新しいテクノロジーを活かす能力とは何か 自己変化能と情報提供・働き方の変化に対する態度に関するアンケート分析』(経済産業研究所ディスカッションペーパー、2017年8月、17-J-053)、4)中馬宏之『AI/IoT時代における人的資本理論再考:社会ネットワークとしての人的資本が必須に』(経済産業研究所ポリシィディスカッションペーパー、2017年5月、17-P-015)。なお、球面収差・色収差補正のイノベーションに関しては、津野勝重氏や松井良夫氏との共同研究ができなくなってしまった。
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