研究課題/領域番号 |
26285088
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
川村 尚也 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (80268515)
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研究分担者 |
土屋 貴志 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (90264788)
濱井 和子 広島国際大学, 看護学部, 准教授 (80461325)
土師 俊子(服部俊子) 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50609112)
清宮 徹 西南学院大学, 文学部, 教授 (00360298)
高橋 正泰 明治大学, 経営学部, 教授 (10154866)
福原 康司 専修大学, 経営学部, 准教授 (60337441)
太田 雅晴 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (00168949)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療・福祉組織 / 知識創造経営 / 組織倫理教育 / クリティカルマネジメント教育 / 経営情報 |
研究実績の概要 |
3か年の研究期間の初年度にあたる平成26年度は、研究実施計画に沿って下記の調査・研究活動を行った。 1.研究組織内で分担して、国内外の経営学、倫理学、保健医療・介護・社会福祉研究等の分野における医療・福祉組織の経営とその倫理的課題に関する研究文献・資料を収集・分析した。 2.国内外研究協力者を招聘し、大阪で施設調査・研究会を2回実施した。第1回目は平成26年7月18-19日に大阪市立大学医学部附属病院の施設調査を行うと共に、海外研究協力者マクシミリアン・ヴィルケスマン氏、ユーイ・ヴィルケスマン氏(ともにドイツ・ドルトムント工科大)による研究報告、および大阪市立大学医学部附属病院職員による医療安全管理の現状と課題に関する研究報告を受け討議を行った。第2回目は、平成27年2月17日に海外研究協力者スーザン・モファット氏(英国ニュービックシアター)、マーガレット・ライリー氏(英国キンドルパートナーシップ)と研究組織メンバーによる尼崎医療生協病院の施設調査を行った後、平成27年2月21-22日には、モファット氏・ライリー氏指導の下に実施された地域住民と医療・福祉専門職・管理職によるコミュニティ・エンパワメント・ワークショップの参与観察を受け討議を行った。 3.研究組織内で分担して、国際学会European Group for Organizational Studies、Arts of Management and Organization Conference等で研究報告を行い、海外研究者のアドバイスと研究文献・実践事例情報を収集すると共に、海外研究協力者等へのヒアリング調査と資料収集を行った。また、研究組織内で分担して日本経営学会、日本情報経営学会、日本看護科学学会、日本生命倫理学会、日本社会医学会で研究報告を行い、国内研究者のアドバイスと研究文献・実践情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、わが国の医療・福祉組織の実態に即した知識創造経営モデル開発に向け、医療・福祉組織の「組織倫理」の実態と課題、知識創造を導く「組織倫理」と「フロネティック・リーダーシップ」のあり方を明らかにし、倫理的リーダーシップを発揮する医療・福祉実務家を育成する、組織倫理教育プログラムの開発を目的としている。平成26年度研究実施計画の概要は以下の通りである。 1.国内外の経営学、倫理学、保健医療・介護・社会福祉研究等の分野における医療・福祉組織の経営とその倫理的課題に関する研究文献・資料を収集・分析する。 2.大阪で年間3回程度、研究代表・分担者が参加する3日間の共同事例調査・研究会を実施する。毎回医療・社会福祉施設各1か所でヒアリング調査を行い結果を検討する。3回のうち2回の共同事例調査・研究会には海外研究協力者を各1名招聘し研究報告を依頼する。また、残り1回の研究会には、国内の医療・福祉組織の経営実務家・研究者を1名程度招聘し報告を依頼する。 3.国外で開催される経営学系国際学会で進捗報告を行い、海外研究者からのアドバイスと研究文献・実践事例情報を収集する。学会出張時には海外研究協力者等へのヒアリング調査と資料収集も実施する。また、国内の経営系学会と保健医療・倫理系学会で進捗報告を行い、国内研究者からのアドバイスと研究文献・実践事例情報を収集する。 4.研究組織用オンライン会議システムとメーリングリスト、オンライン研究情報データベースを構築する。 上記に則して平成26年度の研究実績を評価すると、上記1,3,4は概ね計画通り達成された。2は国外研究協力者の都合により2回の調査・研究会となったが、計画を前倒しし国外研究協力者4名の招聘と、医療・福祉専門職・管理職を対象としたコミュニティ・インターベンション・ワークショップによる組織倫理教育プログラムの試行を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
上述の通り、3か年の研究期間の初年度にあたる平成26年度は、概ね当初の研究実施計画に沿って研究を実施し所期の成果を得ることができた。現時点で平成27年度および平成28年度の研究実施に関して、大きな変更が必要となるような障害や与件変更は見当たらず、次年度以降も概ね当初の研究実施計画に沿って調査・研究活動を実施していくことで、研究目的の達成が可能となると考えられる。 平成27年度および平成28年度は、平成26年度から着手した研究文献・資料の収集・分析、国内外研究協力者を招聘した共同施設調査・研究会、国内外学会での研究報告と海外調査に加えて、大阪地区の医療・福祉施設を対象に知識創造経営と組織倫理に関するヒアリング調査を行い、その結果を踏まえて、大阪地区の医療・福祉組織を対象に、医療・福祉組織における「組織倫理」の実態と課題、医療・福祉組織における知識創造を導く「組織倫理」と「フロネティック・リーダーシップ」のあり方に関するアンケート調査を実施する。さらに平成28年度後半には以上の研究成果を踏まえ、日本の医療・福祉組織においてフロネティック・リーダーシップを発揮できる医療・福祉実務家を育成するための、ワークショップ手法を活用した組織倫理教育プログラムを開発・試行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度の招聘を検討していたオランダ在住の海外研究協力者2名が、本務都合により来日調査を平成27年度に行うことになり、それに伴って予定していた研究代表・分担者によるオランダの医療・福祉施設の実地調査を、やはり平成27年度に実施することになった。また、平成26年度に招聘した海外研究協力者4名については、本人負担等による来日機会を利用して、共同施設調査と研究報告、組織倫理教育のためのワークショップ指導を依頼したため、外国旅費を大幅に節約できたことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度招聘を検討していたオランダ在住の海外研究協力者2名を、平成27年10-11月に10日間の日程で招聘し、大阪の医療・福祉施設の調査と研究組織による研究会を開催する。この2名を招聘するための外国旅費として使用する。また、平成26年度に検討していた研究代表・分担者によるオランダの医療・福祉施設の実地調査を、やはり平成27年8月に実施することになったため、そのための研究代表・分担者の外国旅費と、オランダでの実地調査に協力してもらう海外研究協力者への謝金等として使用する。さらに、平成26年度に実施した国際学会での研究報告により、本研究課題に強い関心をもつ海外研究協力者を新たに複数名確保することができたため、これらの招聘候補者を平成27年度中に1名以上招聘するための外国旅費として使用する。
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