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2015 年度 実績報告書

日本企業のマーケティング力研究:戦略と組織の統合メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26285096
研究機関一橋大学

研究代表者

山下 裕子  一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (90230432)

研究分担者 上原 渉  一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (30515060)
佐々木 将人  一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (60515063)
澤田 成章  鹿児島大学, 法文学部, 准教授 (70714616)
福冨 言  京都産業大学, 経営学部, 准教授 (80387993)
福地 宏之  東洋学園大学, 現代経営学部, 准教授 (90552505)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードマーケティングコントロール / 販売管理費 / マネジメントコントロール / マーケティング投資
研究実績の概要

第一に、マーケティングと会計に関する先行研究のレビューを行った。財務分野での研究では、ファイナンス分野でのデータベースの工夫が重要であることが判明した。特に、複数の異なったデータベースを組み合わせた分析に注意が払われている。管理会計分野での研究では、企業のコントロールシステムとマーケティング行動との関係が主要なテーマである。日本企業では、職能制組織に基づく機能分野間での調整という、非常に伝統的な課題がまだ解決されていない企業が多く、それを念頭に本研究の基本的な問題設定もなされているが、国際的な学会を念頭においたとき、それでは、1980年代の研究であると捉えられてしまうことが判明した。日本企業の直面している状況と、国際的な最先端の研究とのズレを踏まえた上での調査設計の必要性が理解できた。
第二に、有価証券報告書の販売管理費のデータが利用可能かどうかを検討した。販売管理費の算出基準は公開されていないことが多く、されている場合でも、企業ごとの差異が想定以上に大きく、販売管理費をマーケティング活動の水準を示す変数として取り扱うことは困難であると判断した。
第三に、企業へのインタビューを行った。(1)財務分野での意思決定:主としてブランド資産を構築・利用するための投資判断についてのインタビュー:ブランド投資では、メトリックスが確立されていないこともあり、企業の中で財務的な問題としてブランド投資を捉えている企業が極めて少ないことが判明した。(2)管理会計面での意思決定:マーケティング担当者にインタビューを行い、マーケティング費用のコントロールの実態、特に部門間でどのようなメトリックスに基づき判断を行うかに焦点を当てて、聞き取り調査を行った。市場ベースの管理単位を、組織で共有して実行的な管理単位として用いている企業とそうではない企業との間にコントロール実態に大きな差があることが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予備的な調査として、上場企業を対象に、販売管理費と主要な財務指標との関係を調べてみたが、意味のある結果が必ずしも得られなかった。そのため、有価証券報告書から販売管理費の算出基準を導き出そうと検討をしたが、情報開示が少なく、また開示されている場合でも、その算出基準の差異が極めて大きかった。そのため、販売管理費をそのまま分析に使うのは困難と判断し、それに代わるデータを検討する必要が生じている。

今後の研究の推進方策

財務データを分析する方向性を改めて検討しつつ、質問票調査には、財務データを含めない方針で、調査票の設計を検討する。その際に、先行研究をもう一度精査し、測定尺度を検討し直す。

次年度使用額が生じた理由

分析項目として財務データを直接用いる調査設計を計画していたが、販売管理費のデータには企業ごとの差異が想定以上に大きく、販売管理費をマーケティング活動の水準を示す変数として取り扱うことは困難であると判断した。そのため、平成27年度計画していた調査票の設計、作成、配布という一連の作業は延期し、調査票の設計のための作業をさらに追加して行う必要が生じた。

次年度使用額の使用計画

主として、平成27年度実施する予定であった質問票調査を実施するための費用とする。

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公開日: 2018-01-16  

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