研究課題/領域番号 |
26285098
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松井 建二 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (20345474)
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研究分担者 |
鳥居 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (40164066)
丸山 雅祥 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (60135928)
成生 達彦 京都大学, 経営学研究科, 教授 (80148296)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 流通 |
研究実績の概要 |
本研究課題の3年目である平成28年度は、交付申請書に基づき、流通チャネル管理の意思決定支援に有用な含意を導く数理モデルを構築する研究を進展させた。具体的には、研究代表者は次のような3つの研究を進めた。第1に、垂直的に分離された製造業者・小売業者から構成される2段階の間接流通システムを想定し、製造業者が複数の小売業者へ財を卸す状況を考え、製造業者は卸価格をいつ設定すれば良いか、さらに小売業者はいつ小売価格を設定すれば良いかを内生的に決定する数理モデルを構築した。結論として上流の製造業者は複数の卸価格を同時に決定することが望ましいのに対し、下流に存在する複数の小売業者は逐次的に価格を決定することが望ましい、などの含意を導いた。この研究論文は研究代表者の所属研究機関のディスカッションペーパーとして収録し、国際学術誌へ投稿した。第2に、最終消費者に財を直接販売する直販チャネルと、小売業者を介して販売する小売チャネルの、2つの流通チャネルを販路として用いる製造業者を想定し、その製造業者にとって販売地域に制限を設けるテリトリー制を小売業者に課すことは、どのような状況下で望ましいのかを明らかにする研究を行った。第3に、直販チャネルと小売チャネルの2つの流通チャネルを販路として用いる製造業者は、いつ直販チャネルにおける直販価格と小売チャネルにおける卸価格を決定すれば良いかを求めた研究論文が国際学術誌に受理され、掲載が確定された。この他にも「研究発表」の項目に記しているとおり、研究分担者は流通チャネルの数理モデルに関連する理論・実証研究を行い、国際学術誌への論文公表や国際学会における報告などを行い、研究実績を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」の項目に記しているとおり、流通チャネル管理の数理モデルに関連する論文が、査読付の国際学術誌に出版され、また国際学会で報告された。本研究課題では国際的に研究成果を発信することを当初より予定していたため、この客観的な研究成果から、「(2)おおむね順調に進展している」と判断される。
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今後の研究の推進方策 |
本課題は計画に沿った研究の進展が見られているため、流通チャネル管理に関する有用な知見を得るために、さらに様々な経済環境を想定した数理的なモデル構築を行う。得られる成果はこれまでと同様に、主に英語を用いて論文を執筆し、学会や研究会における研究報告とともに、査読付の国際学術誌への投稿・掲載を進め、内外へ向けた研究成果の発信を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は数理モデルを構築する研究を進めたが、その成果の国際学会における報告、および国際学術誌への投稿など、内外に発信する活動のための費用は、本研究課題の最終年度である平成29年度に多く必要となることが予想される。このため、次年度使用額を計上している。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度までに執筆した、流通チャネル管理の数理モデルに関する研究論文を、内外の学会や研究会において研究報告するための旅費として使用する。さらに、国際学術誌へ投稿する際に必要な費用として利用する。具体的には、英文校正に必要な費用として利用する。
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