研究課題/領域番号 |
26285105
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
上總 康行 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (20121494)
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研究分担者 |
藤本 隆宏 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (90229047)
澤邉 紀生 京都大学, 経営学研究科, 教授 (80278481)
新宅 純二郎 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (00216219)
柊 紫乃 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (10609952)
足立 洋 九州産業大学, 商学部, 准教授 (60585553)
篠原 巨司馬 福岡大学, 商学部, 准教授 (90580168)
浅田 拓史 大阪経済大学, 情報社会学部, 准教授 (30580823)
吉川 晃史 熊本学園大学, 大学院会計専門職研究科, 准教授 (20612930)
牧田 正裕 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (60292083)
佐藤 浩人 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 准教授 (80454974)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 管理会計 / 原価計算 / 生産マネジメント / 改善 / 造船業 / 自動車産業 / 電機産業 |
研究実績の概要 |
本研究は,研究を円滑に進めるため,管理会計部門と戦略組織部門とに分け,研究会や合同会議を通じて全体の調整を図っている。 管理会計部門の研究実績に関しては,①インタビュー調査では,機械製造業や関連企業等の国内の本社・工場・研究所に加え,海外拠点としてタイおよびフィリピンの子会社にも聞取調査を行った。調査内容は,調査会社における独自の管理会計実践と品質管理活動,およびそれらの国内外の拠点間でどのように連携されているかという点を中心とした。②研究成果公表については,機械製造業における管理会計実践に関する英語論文を作成し,研究会にて英語で共同報告を行った。③文献研究および会議開催については,管理会計部門の研究会を2回開催し,基本文献である藤本隆宏(研究分担者)著『能力構築競争』を輪読した。また生産管理論と管理会計論における機会損失概念の比較検討などについて文献研究を実施した。さらに全体会議を26年6月と27年3月に開催した。 戦略組織部門に関しては,①インタビュー調査では,主として造船関連および電機関連企業を調査した。また組立型製造企業のサプライチェーンについてヒアリングを実施した。②研究会および関連諸領域の学会参加については,生産・改善・会計の関係性について検討する研究会を,年度内で計9回行った。本テーマの研究会は27年度も継続をし,27年9月にその成果を学会報告する予定である。また関連隣接諸領域の知見を取り入れるべく,26年9月進化経済学会,10月組織学会,11月国際ビジネス研究学会に参加した。③文献研究および会議開催については,生産管理と会計に関わる先行研究レビューを行った。また,管理会計部門と戦略組織部門のメンバーで構成される全体会議(26年6月と27年3月)に参加したほか,26年8月の管理会計メンバーによる勉強会には,戦略組織部門からも協力参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
管理会計部門の研究計画では,文献研究と国内拠点への聞き取り調査を中心としていた。したがって,26年度の研究活動はおおむね計画通りの進捗をみせている。具体的には,今年度は前述の研究書である『能力構築競争』をはじめ,本研究課題の鍵となる文献の検討を行った。また,国内拠点における聞き取り調査については,機械製造業の国内拠点を延べ5か所・約19時間にわたる調査を行った。加えて,海外拠点についても,約8時間にわたる聞き取り調査を行い,国内外の拠点間での管理会計実践を比較検討するための資料が徐々に蓄積されてきている状況である。その結果,英語論文の共同報告をはじめとして,研究成果も少しずつ公表できるようになった。また,全体会議についても,当初計画通り年2回開催し,26年6月には今後3年間の研究計画の検討,27年3月には各メンバーからの研究活動の進捗状況報告会を実施した。 戦略組織部門の研究計画では,文献研究と国内製造業への現場調査を中心としていた。したがって,26年度の研究活動はおおむね計画通りの進捗をみせている。具体的には,19世紀以降のアメリカおよび日本の生産管理の進展と原価計算に関わる諸研究の文献を検討した。また,管理会計部門と合同で,前述した基本文献の『能力構築競争』をはじめ,本研究課題の鍵となる文献の検討を行った。国内製造業への現地調査については,造船業および電機産業企業への調査を行った。それらの中で,生産管理会計の視点および,工場単位で産業と企業の接点を捉える新たな研究視点を定めた。これらについては,平成27年度以降の著書,論文,学会発表につながる見込みである。また,全体会議についても,当初計画通り年2回開催し,26年6月には今後3年間の研究計画の検討,27年3月には各メンバーからの研究活動の進捗状況報告会を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
管理会計部門に関しては,平成26年度の研究活動がほぼ当初計画通りの進捗をみせていることから,本研究プロジェクトの2年目となる27年度は,基本的には引き続き聞き取り調査を継続することに加え,研究成果の公表についても力点を置きながら活動する予定である。まず,聞き取り調査については,引き続き機械製造業の国内外拠点の調査を5回程度実施するとともに,随時その他企業についても調査を行う予定である。また,26年度同様,27年度も年に2回程度の全体会議の開催を予定している。研究成果の公表については,翌28年度が最終年度となることから,徐々に各メンバーの研究成果の公表を進め,28年度における研究成果の統合作業の下地作りを行う。現時点では,機械製造業の調査データの考察に基づく研究成果を本年度6月に海外のThe 10th Conference of the European Network for Research in Organisational & Accounting Changeで報告する予定である。国内でも8月には日本管理会計学会,9月には日本原価計算研究学会全国大会での報告を予定している。 戦略組織部門に関しても,平成26年度の研究活動がほぼ当初計画通りの進捗をみせていることから,本研究プロジェクトの2年目となる27年度は,現場調査の継続に加え,管理会計部門と同様に,研究成果の公表,全体会議の開催を通じて研究成果を出していく予定としている。研究成果の公表については,国内では日本原価計算研究学会での発表,および工場史に関わる書籍執筆を予定している。また,海外関連学術誌への論文投稿も検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
主として,本年度に予定していた企業調査,たとえば電機関連企業の中国子会社,タイ子会社等の調査が,先方の都合等で実施できなかったために残額が生じたものである。現在も当該企業にアプローチ中であり,次年度に調査を実施できる見込みである。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度に計画していた企業調査を次年度は実施できる予定である。
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