研究課題/領域番号 |
26285109
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田邊 浩 金沢大学, 人間科学系, 教授 (50293329)
|
研究分担者 |
山中 浩司 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40230510)
竹中 均 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90273565)
眞鍋 知子 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (70320025)
松田 洋介 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (80433233)
竹内 慶至 名古屋外国語大学, 現代国際学部, 准教授 (80599390)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 発達障害 / 自閉症 / 社会的排除と包摂 / 福祉国家 / 福祉レジーム |
研究実績の概要 |
今年度は,海外調査研究と国内調査研究を中心に,研究に取り組んだ. 海外調査研究では,アメリカで調査することを計画していた.アメリカは広大で,また州によって状況が大きく異なるので,どの州を選んで調査を実施するかを慎重に検討することから始めた.結局のところ,全米のなかでも,障害のある人びとに対する支援が充実しており,先進的な取り組みがなされていると考えられるカリフォルニア州で調査を行うこととした.事前に多くの情報を得ることにつとめ,ロサンゼルスを調査地とし,訪問先等を選定していった.訪問先との調整にあたっては.アメリカ在住で,障害のある子どもをもつ親ごさんの団体である,「手をつなぐ親の会」(JSPACC)に協力をしていただいた.ランターマン法にもとづく,カリフォルニア州に独特なものであるリージョナル・センターを始めとして,当事者団体,グループホーム,療育施設,就労支援団体,南カリフォルニア大学,カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校など,10ヵ所程度を訪問し,聞き取り調査を行った. 今年度は,若干の遅れが生じていた国内調査も進めた,発達障害の方々を対象とした就労支援団体,ハローワークなどで聞き取り調査を実施した.ただし,グループホーム,療育施設などは準備を進めたものの,調査をするまでに至らなかったので,それらを対象に次年度に調査を行う必要がある. これらアメリカ調査および日本調査を行うための準備と並行して,ドイツ調査の分析結果の取りまとめを進めた.次年度には論文にする予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までに予定していたスウェーデン,ドイツ,アメリカでの調査は,予定通りに終えることができた.日本で調査すべき団体等が若干残っているが,すでに準備は整っているため,次年度の早い段階で調査を終えることができる予定である.すでに,スウェーデン調査は論文にし,ドイツ調査の分析結果を中心とした論文は現在取りまとめている最中である.続いて,アメリカ調査の分析も論文にする予定であり,聞き取りの結果の整理に着手したところである. 以上,申請した計画通りに,研究は進展している.
|
今後の研究の推進方策 |
海外での現地調査を終え,データを入手することができたので,今後は研究成果の取りまとめに集中する予定であるが,その過程で補足的に情報を必要とした場合,追加で調査を行うことも予定に含める. まずは日本社会学会で報告し, その後に日本語および英語で論文を執筆することを進める.また,4年間に集めた資料や情報等を整理して,報告書として取りまとめる. 広く得られた情報を発信するために,Webにおいて公開する. これらの研究取りまとめ作業を円滑にすすめるために,本研究のメンバー全体での研究会を2度ほど開催し,また週に1回はインターネットビデオ通話等を利用して,研究打ち合わせを行う.
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度はアメリカ・ロサンゼルスでの現地調査に多くの経費を必要とする計画であったが,訪問先のコーディネートに関して,「手をつなぐ親の会」(JSPACC)が全面的に協力してくださったこともあり,調査に係る経費を大幅に節約することができた.また,日本での調査は,一部は実施したものは,残された調査先も多く,それらはとくに石川県外であるため,準備していた旅費等が残額として生じた.
|
次年度使用額の使用計画 |
残額は以下の用途で使用する.第1に,海外での調査は一通り終えることができたが,成果を取りまとめる際に必要な補足調査を実施する,第2に,分析に用いる際に正確を期すため,アメリカ調査の聞き取り調査の音声データの反訳の費用として使用する.第3に,残された日本国内での調査に関する経費に充てる.そして,第4に,英語の論文を作成することを計画しているので,その際の英文校正の費用として使用する. 以上が,次年度使用額の使用計画である.
|