研究課題/領域番号 |
26285115
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
宮本 みち子 放送大学, 教養学部, 教授 (60110277)
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研究分担者 |
野村 武司 東京経済大学, 現代法学部, 教授 (00228363)
宮本 太郎 中央大学, 法学部, 教授 (00229890)
濱田 江里子 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 特任研究員 (40711916)
津富 宏 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (50347382)
藤井 敦史 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (60292190)
布川 日佐史 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (70208924)
樋口 明彦 法政大学, 社会学部, 教授 (70440097)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 若者政策 / 生活保障 / 社会的排除 / 社会的企業 / 中間的就労 / 若者支援 / 就労困難 |
研究実績の概要 |
自治体によって若者支援の全体像には多様性があるが、一番の問題は、一貫した包括的支援の体制が整っているかどうかである。整っていることによって、若者の生活保障システムは完成する。このことを明らかにするために、以下の①②の調査を実施した。 ①東京都世田谷区、横浜市、佐賀市の2つの自治体における若者支援の実態を比較するための調査を実施した。対象は、行政、専門機関と民間団体のいくつかである。 ②沖縄市の子どもの貧困防止の取り組みの実態調査を行った。対象は行政、学校、民間支援団体である。なお、本調査は年度当初は予定に入れてなかったが、若者の実態が貧困を背景にしている傾向が強い沖縄を調査することで、①で調査した2地域の特徴がより鮮明になるものと考えて実施したものである。 ③本研究チームの4年間の研究成果をもとに書籍を刊行するため、これまでの調査をまとめつつ出版計画を検討した。そのなかで、社会的企業および中間的就労に力点を置き、国内外の事例検討および文献研究をおこなった。これらの作業を通して若者支援の振り返りを行い、今の課題は「若者支援と地域」「共生保障」(宮本太郎)とと地域」など、地域という場における若者の生活保障体制の構築を展望するという点に絞り込まれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
4自治体の調査を実施したが、全体像を把握するには至っていないという認識をもたざるをえなかった。また、4自治体の違いもあり、タイプ分けするなどの方法が必要と思われる。とくに、中間的就労、社会的企業、地域福祉等のテーマに絞って調査の不足事項を再調査する必要がある。さらにこの調査から知見を引き出すためには、国内外の研究サーベイをもっと行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
あらためて地域福祉政策や生活保障の制度的課題を整理し、現行の若者支援方策がカバーできている部分とできていない部分の整理をする。その際、重要な視点として、若者支援による生活保障とは、やみくもに就労を促すのではなく、雇用の劣化にも歯止めをかけつつ、フルタイムの一般就労だけではない多様な働き方へと若者の参入を支援することとおさえる。最終的には、どのような道筋を辿って「若者の生活保障の体系」を地域に構築してゆくのかというテーマで書籍を刊行する予定である。なお、書籍を出版するにあたって、研究メンバー以外の研究者等をまねいた研究会を幾度か重ねるとともに、これまでの調査の不足分を埋めたり、時間の経緯のなかでどのように進展したのかについてフォローアップ調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:本研究の課題である「若者期の生活保障の構築」を提示するには、もう少し調査を深める必要があったが時間的に困難であったため今年度に延期した。 使用計画:4自治体調査の捕捉およびフォローアップ調査を実施する。また、国内外の文献サーベイをし、ゲストを招聘して研究会を開催する費用とする。
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