長期的に維持可能な高齢者ケアシステムの構築観点から、縦断的データ、自治体の要介護認定・給付実績データによって、日本とスウェーデンの将来30年間(2010-2040年)のサービスコストの予測試算と、後期高齢者のライフコースの比較分析を行った。コスト試算は介護ニーズの出現率が2010年と同レベルと仮定した試算と、2025年までの発展動向を考慮した試算を行ったが、いずれの場合も日本のコスト上昇はスウェーデンのそれを遥かに上回るものであった(93%対52%、80%対24%)。両国ともに、将来の生存確率、機能低下(ADL依存)、要介護レベルは78歳の初期状態に大きく依存することが明らかになった。
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