研究課題
地域福祉の拠点における複合機能の整理について、拠点を単にハードしてではなく、ソフトの機能として捉え、拠点が持つ多機能性に注目し、その拠点がどのような共生空間を作り出すか、それに必要となる方法とは、という点に研究成果の1つの集約を見出している。もっとも成果の大きいフィールドは、韓国である。①研究協力者である金教授による社会福祉館の分析、②ソウル福祉財団との共同研究におけるソウル市における福祉生態系プログラム(「まちづくり志向」の取り組みや小地域における公的な拠点の配置等)の政策評価、③釜山市における社会福祉館の取り組みに関する事例研究、④コネット(韓国住民運動教育院)が作成しているコミュニティワーカー養成のテキストの翻訳と日本における意義、などの成果を生み出した。日本のフィールドでは、共生型ケアの独自の拠点展開を進める高知県での「あったかふれあいセンター」については、事業計画を用いたマネジメントに関する取り組みとその評価を試みた。人口減少地域における地域福祉拠点の運営について、地域福祉計画に位置付けるとともに、人材育成や質の向上の観点から事業計画の取り組みの意義を明らかにした。また、「あったかふれあいセンター」と「集落活動センター」の融合の意義に触れ、福祉と地域づくりとの連携による共生空間の創出を示し得た。横浜市の地域ケアプラザについては、生活支援コーディネーターの配置を展望しながら、その拠点における多角的な機能の展開をどのようにマネジメントするかが研究課題として明確になった。また、国の新たな地域福祉政策の展開である「多機関の協働による包括的支援体制構築事業」に関するモデル事業の分析では、生活困窮者自立支援を軸とする拠点形成への取組とそれを推進する包括化推進員のマネジメント機能が重要である点を確認した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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『日本の地域福祉』
巻: 31 ページ: 51-61
『住宅会議』
巻: 99号 ページ: 31-34