研究分担者 |
北川 慶子 聖徳大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00128977)
高山 忠雄 鹿児島国際大学, その他の研究科, 教授 (20254568)
田中 安平 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 教授 (20341662)
小窪 輝吉 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 教授 (30144421)
増田 和高 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 講師 (40596962)
岩崎 房子 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 准教授 (60352473)
大山 朝子 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 准教授 (60708965)
玉木 千賀子 沖縄大学, 人文学部, 准教授 (70412856)
島村 聡 沖縄大学, 人文学部, 准教授 (90713082)
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研究実績の概要 |
「琉球弧型互助」慣習を福祉資源の観点から検証するために、琉球弧の島嶼集落における相互扶助(互助)等の地域文化、郷友会組織、自主防災組織等に関する調査と島嶼集落における地域づくり活動の調査を行った。 平成28年度は、地域づくり活動において中心的役割を担っている民生委員に関して、島嶼地域における活動の実態、概要及び地域支え合い活動との関連性についてアンケート調査を行い、今後の地域づくり活動の方向性を探った。この点は、大山朝子の論稿「島嶼地域における民生委員・児童委員の活動に関する一考察―アンケート調査をもとに―」で民生委員の現状と課題を明らかにしている。また、小窪輝吉の論稿「離島高齢者の生活状況,社会参加,福祉意識および地域課題-請島・与路島調査における経年比較を通して-」では、「離島の離島」と言われる加計呂麻諸島の小離島である請島と与路島の高齢者の置かれた現状を2004年と2012年に実施した調査データを再分析し、離島高齢者の置かれた生活状況と地域課題を明らかにした。さらに平成28年度はこれまでの科研調査研究を基に『琉球弧の島嶼集落における保健福祉と地域再生』を執筆者全員が自費で刊行した。 近年の人口流出、高齢化、単身世帯の増加等により、地縁を活かした関係性が希薄になりつつある。ましてや、グローバル化により文化の多様性や地域性が失われる感もある。それにもかかわらず、島嶼地域の不利性を有利性に転換し、地域文化である「絆」を再構築し、安全・安心な地域づくりの取り組み、まさに地域文化に裏打ちされた地域づくり・福祉文化的な地域づくりをしている町村も確認できた。今後は、地域振興・島おこし活動等と医療・福祉等の生活基盤サービスや住民の生活状況の関係性を把握し、地域文化的特性が住民の福祉システムの形成や住民生活に与える影響がどのようなものかを検討する必要がある。
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