研究課題/領域番号 |
26285143
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
村山 陽 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90727356)
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研究分担者 |
藤原 佳典 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50332367)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 世代間援助 |
研究実績の概要 |
研究1-1.世代間援助に関するプレ調査(5月~9月) 地域における世代間援助の授受を測定するのに適した項目を探索するために、Web調査会社A社に登録している20~50代モニター300人、60~70代モニター100名を対象に自由記述形式による予備調査を実施した。この結果をもとに、地域における世代間援助を測定するための項目を作成した。 研究1-2.世代間援助に関する初回調査(10月~3月) 研究1-1で作成された世代間援助項目について、2014年10月~11月に埼玉県和光市の20歳以上の市民から,性・年齢で層化し無作為に抽出された7,000人を対象に郵送調査を実施した。分析の結果、非親族からの「世代間援助」の実態として、すべての世代において、提供と受領が少ない「非援助型」が最も多いことが示された。その中でも互恵的な世代間援助の形である「援助バランス型」をみると、若年層よりも中・高年層に多くなり、特に「情緒的一体感」および「同伴行動」といった援助パターンが多い傾向が示された。これは、非親族からの世代間援助には比較的負担が軽いサポートが多く、加齢とともに互恵的な世代間援助が増加することを示唆している。さらに、中・高年層において、「援助バランス型」では、その他の援助パターンに比べて精神的健康度が好ましいことが示された。 2015年2月~3月には、神奈川県川崎市多摩区の20歳~84歳の市民から性・年齢で層化し無作為に抽出された2,500人を対象に郵送調査を実施した。本調査に関しては、3月末にデータを回収し、現在はデータ入力作業を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、世代間援助に関するプレ調査および2地区(和光市、川崎市多摩区)における郵送調査を実施した。こうしたことから、本研究は(2)おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
「世代間援助の円環モデル」を構築することを目的に、様々な学問分野で世代間交流研究に携わっている研究者を集めたワーキンググループを行い、それをもとに世代間援助の現状と課題を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度および平成28年度調査実施に備えるため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度には、ワーキンググループやインタビュー調査のための謝金、交通費および人件費に使用する。平成28年度には、第2回調査実施のために使用する。
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