研究課題/領域番号 |
26285147
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研究機関 | 帝塚山大学 |
研究代表者 |
蓮花 一己 帝塚山大学, 心理学部, 教授 (00167074)
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研究分担者 |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高齢者 / 高齢ドライバー / 運転行動 / ハザード知覚 / 白質病変 / 認知機能 / 安全確認 / 視覚困難 |
研究実績の概要 |
平成26年度には、高知県において、高齢ドライバーへの第一段階の調査を実施した。具体的には、脳ドックを受診した高齢ドライバーから、48名の調査対象者(前期高齢者19名、後期高齢者29名)に対して教習所において調査が実施された。調査実施時期は平成26年9月から10月にかけてであった。調査参加者は、健常群15名および白質病変33名(L2群18、L3群15名)から構成された。調査内容は、1)主観的健康感等の質問紙調査と2)認知機能検査(MMSE検査、N-back課題検査)、3)運転補償方略質問紙調査、4)ハザード知覚調査(ビデオ映像を用いた調査)、5)リスクテイキング傾向の質問紙調査、6)ジャイロセンサ及びドライブレコーダを用いた行動実験、7)運転への指導員評価であった。調査参加者の脳ドックに関するデータは二重盲検法を用いて取扱い、教習所での調査実施者にはその情報は伝えられていなかった。 得られたデータに関する記述統計レベルの分析をまず実施した。ヒストグラム等で分布に偏りがある行動指標や質問紙尺度を調べた。さらに、年齢群間の指標平均間の違いや指標・尺度間の相関を調べた。 現時点で、本標本では、前期高齢者と後期高齢者の年齢群間で指標間の明確な差は見られていない。行動指標では、ハザード知覚テストの成績が他の指標との関連を示した。とくに、ハザード知覚得点と指導員の運転行動評価の相関が有意であった。つまり、交通状況でのハザード(危険対象)の知覚が優れている者は指導員による運転評価も高いという結果であった。さらに、ハザード知覚の成績の高い者は認知機能検査のN-back検査のうち、2-backの成績が高かった。N-back検査はワーキングメモリーに関わる検査でありハザード知覚とワーキングメモリーとの関連が見られた。その他、視覚困難度や安全確認などの指標間で関連が見られ、継続分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画は順調に推移している。高知県での教習所(高知県自動車学校)の協力により、調査に関わる教習所の施設、車両の貸与や指導員の協力が得られた。また、研究分担者である朴教授の尽力により、高知工科大学地域交通医学研究室の脳ドック受診者から48名の調査参加者を得ることができた。室内調査での質問紙調査、認知機能検査、ハザード知覚テストのみならず、教習所コースでのジャイロセンサによる安全確認行動の計測、ドライブレコーダでの速度やビデオ映像の取得も問題なく推移ししている。
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今後の研究の推進方策 |
高知県自動車学校からは平成27年度の協力についても調査実施の了解を頂いている。また、高知工科大学からの調査参加者の確保も得られることとなっている。 現在の課題は、脳ドックの結果と運転行動や質問紙調査の結果とをいかに関連付けるかである。その結果によっては、今後の調査対象者のサンプリングにも影響してくる。また、高齢者への教育の可能性を考えた時、健常群だけでなく、白質病変のドライバーに対してどのような効果的な教育が実施できるのかという大きな課題が残されている。得られたデータを詳細に分析して、その糸口を見出すことを本年度の研究の目的とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度である平成26年度の調査計画において、調査手法等の確認や整備に重点を置いた。 調査対象者数は予定通りであり、充分な研究実績を得られた。ただし、平成27年度にさらに多くの参加者を得て充実した調査を実施するために、調査スタッフの人数や交通費を可能な限り削減して平成27年度に使用することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
研究協力者および学生・院生スタッフの謝金として充当する予定である。
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