研究課題/領域番号 |
26285153
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
繁桝 算男 帝京大学, 文学部, 教授 (90091701)
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研究分担者 |
大津 起夫 独立行政法人大学入試センター, その他部局等, 教授 (10203829)
星野 崇宏 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20390586)
岡田 謙介 専修大学, 人間科学部, 准教授 (20583793)
大江 朋子 帝京大学, 文学部, 准教授 (30422372)
木村 拓也 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40452304)
植野 真臣 電気通信大学, その他の研究科, 教授 (50262316)
立脇 洋介 独立行政法人大学入試センター, 試験基盤設計研究部門, 助教 (50511648)
野口 裕之 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60114815)
倉元 直樹 東北大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (60236172)
山形 伸二 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (60625193)
柴山 直 東北大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70240752)
石岡 恒憲 独立行政法人大学入試センター, 試験評価解析研究部門, 教授 (80311166)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大学入試 / 意思決定 / テスト理論 / 多変量解析 / 適性 |
研究実績の概要 |
世界のテストの現状を調べ、発表するため、科研費メンバーの二人がInternationalTest Commission(ITC)の世界大会に出席し、テストのガイドラインを日本語に翻訳するプロジェクトを始めた。また、日本のアドミッションセンターを訪問調査し、調べた結果を「大学入試センター入学者選抜研究に関する調査室報告書2」として出版した。また、東北大学の倉元は、同じくアドミッションセンタについて、主として公開されている規程類をデータとして、アドミッションセンターの機能の類型化を行い、今後の入学者選抜のための専門機関としての将来像を提示することを試みている。 本研究プロジェクトのメンバーによる大学入試に関する問題の技術的解決に向けても進展している。例えば、植野は、多くの項目プールから複数の等質な問題セットを選び出す効率的な方法を実現している。また、大学入試センターに所属するメンバーの実践的な研究も活発である。大津は、センター英語試験(筆記およびリスニング)について,項目反応理論を用いて、英語試験に多次元的な能力を見出し得るかについて検討した。また、石岡は、作題支援のために既存試験問題の検索システムを構築した。キーワードを入力して該当文書を検索する検索システムの他に、新作問題1題まるごとを入力として、類似あるいは内容の重複する既存試験問題を検索するシステムも試作した。発達障害に関しては、障害者権利条約との関連から現在の入試における問題を整理し特に音声による支援が遅れており、IC技術等を用いた対応をまとめた。 繁桝は、IDE現代の高等教育において、現在の入試、及び、中教審による答申が示す方向性について、議論し、どのような研究が必要かについて示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本プロジェクトは3年目の初年次を終えた。大学入試における問題意識はもともと共有しており、どのような技術が必要かについても相互理解がある。個別の技術的問題の解決において、本プロジェクトメンバーは先進的な技術を持つものばかりであり、個別に発表されている論文の水準は高く、このような統計学的工学的技術が、今後の2年間において大学入試の現実的な問題の解決のために有効に関連付けられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の推進する手段として、本年は科研費によるシンポジウムを計画している。また、本科研費メンバーは、日本テスト学会、及び、行動計量学会を基盤として活躍しているものが多いので、この両学会において、特別企画セッションを複数用意し、互いの研究の進展について議論し、さらに発展させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本科研費の研究は、初年度に外国から研究者を招待すること、また、科研費によるシンポジウムなどを計画していたが、種々の理由で実現していない。これが主要な原因で若干の額が次年度に使うために残された。
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次年度使用額の使用計画 |
理由のところで述べたように、有益なアドヴァイスをすることが可能な、統計学的にも優れ、実践的な関心も高い世界的な研究者を呼ぶこと、また、科研費によるシンポジウムを計画する。
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