顔認知のばらつきのメカニズムとその形成過程を、異文化間で実験的に比較検討した。脳の特定の部位に損傷を受けると相貌失認という、親しい人の顔を見ても区別できない状態となる。古くから知られる後天性の相貌失認に対して、近年になって生まれつき顔を見ることが苦手な「先天性(発達性)相貌失認」の存在が示されている。一方で顔認知が人並み以上に優れた者の存在も知られる。本研究では発達心理の拠点であるランカスター大学等イギリス・イタリア・スイスとの協力のもと、顔と表情認知能力のばらつきと文化による発達の違いについて検討した。
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