• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 研究成果報告書

戦後東アジア諸地域における教育の比較史的分析―冷戦と植民地主義に着目して―

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 26285174
研究種目

基盤研究(B)

配分区分一部基金
応募区分一般
研究分野 教育学
研究機関京都大学

研究代表者

駒込 武  京都大学, 教育学研究科, 教授 (80221977)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2020-03-31
キーワード冷戦 / 植民地 / 教育 / 平和 / 台湾 / 朝鮮 / 中国 / 奄美
研究成果の概要

本研究の課題は、冷戦と植民地主義に着目して、戦後東アジア諸地域における教育のあり方を比較史的に分析することであった。本研究の一つの柱は、1950年代に台湾、中国、朝鮮の子どもたちが書いた作文を集めて出版した『世界の子ども 中国朝鮮篇』(1955年)の分析である。分析の結果として、作文集の編集過程も内容も冷戦体制の影響を色濃く受けており、脱植民地化への志向が作文に表現されるのは稀だったことを指摘した。もう一つの柱は、日本教職員組合奄美地区支部の資料の分析である。戦後米軍統治下におかれた奄美の復帰運動には、沖縄における復帰運動と同様、戦前以来の植民地主義を問い直す傾向は弱かったことを解明した。

自由記述の分野

教育史

研究成果の学術的意義や社会的意義

従来の教育史研究では、戦後日本の歴史は、戦後東アジアの歴史から切り離されてきた。たとえ東アジアが視野に入れられる場合でも、日本―朝鮮―中国という軸を中心とした考察が一般的であり、日本―奄美―沖縄―台湾という軸での考察はほとんど行われれてこなかった。結果として、戦後日本における歴史意識と歴史教育は、戦前戦後の脱植民地化という課題をきわめて不十分な形でしか問題化できなかった。本研究は、冷戦体制に深く規定された歴史意識と歴史教育を一国主義的な枠組みから解き放ち、東アジアの隣接諸地域との相互理解を進めるという社会的意義がある。

URL: 

公開日: 2021-02-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi