研究課題
最終年度は過去の成果に基づき三観点において研究を実施した。第一にタッチスクリーンの画面設計においてアイコンサイズや配置等を多面的に見直し現状技術の可能性を研究した。アイコンを小型集密化してiPhoneに実装したところ、操作速度の改善がみられた。現状のシステムでも、アイコン自体を残存視力の有無や経験等を考慮した障害別対応設計とすれば一定の補償効果の改善が期待できることがわかった。第二は、音による情報補償技術の改善研究である。現状のVoice Over等はアイコン自体を音声により補足する「静的情報補償技術」とみなせる。今後、タッチパネルを利用したゲームや教育システム等は増加するとみられるが、そのような事例では、アイコン等の操作確認対象は動的表示となり前述の従来手法では対応困難となる。我々は音ピッチや音響パターン自体に情報を意味付けすることで2D音場化し、動くアイコンにも対応可能な動的情報補償方法を開発した。この音場による情報補償方法をゲームに実装し新たな情報補償技術となる可能性があることを実験的に確認した。第三に、触覚による情報補償技術について、複数の疑似触覚パターンを生成し全盲者の識別能力を評価した。その結果、単純に触覚や疑似触覚機能を付加するのみでは識別能力の改善は少なく、微分効果を意識的に生み出すパターンの場合には識別能力が向上することがわかった。このパターンにも幾つか手法が考えられる。この手法を利用することで、ピンディスプレイや触図等とは異なる動的・静的情報補償技術となる可能性が示された。実装技術の詳細は今後の課題である。最終的に、これまでの知見を分析し、総合的な情報補償技術と教育評価サイクルについてまとめる予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 9件) 学会発表 (9件)
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