研究課題
Yolk/Shell粒子(主にシリカコアを中空部に内包した粒子)の3次元規則配列体の光学特性を引き続き検討した。単分散なYolk/Shell粒子を制限領域において自然沈降させて得られた3次元規則配列体の反射スペクトルを測定したところ、入射角によってピーク波長が変化する反射スペクトルが得られた。Braggの反射式を用いて検出ピーク波長を詳細に調べたところ、3次元規則配列体を構成する材料(シリカ)の屈折率、中空部の体積、面間隔を考慮することで、入射角に依存する実測ピーク波長をBraggの反射式で表現することができた。理論ピーク波長との比較から、入射角に依存する反射ピークは、中空部に閉じ込めたシリカ粒子に由来することを特定することができた。液中にある3次元規則配列体内のシリカ粒子の多くはブラウン運動により中空閉空間を動き回ることができことから、交流電場等の外部からの刺激に応じて反射ピーク波長の位置を制御できる可能性を示すことができた。金ナノ粒子を内包したYolk/Shell粒子については、金ナノ粒子の電場応答性を明らかにするため、粒径数十ナノメートル程度の金ナノ粒子の電場応答性を初めに検討することにした。水中に分散する金ナノ粒子に対して種々の周波数の電場を印加したところ、低周波数領域において金ナノ粒子は強い電場応答性を示し、金ナノ粒子特有の赤い懸濁液の色が電場印加によって紫色あるいは黒色に変化した。また、粒子径が異なる金ナノ粒子の懸濁液にそれぞれ交流電場を印加したところ、周波数応答特性が金ナノ粒子サイズに強く依存することを確認した。このような懸濁液色の変化は、金ナノ粒子が液中で凝集したことを示唆する結果であり、今後集積する金ナノ粒子間距離を精密かつ可逆的に制御するには、可動金コア内包型のYolk/Shell粒子の規則配列化が必須となることを明確にすることができた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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