研究課題/領域番号 |
26286021
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 和久 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (70314424)
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研究分担者 |
木口 賢紀 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (70311660)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | コアシェル / 相分離 / ナノ粒子 / 磁性 / 触媒 / RHEED / エピタキシャル成長 / STEM |
研究実績の概要 |
今年度はまずAu/Coナノ粒子の成長について、NaCl(001)基板を用いた予備実験を行い、収差補正STEMを用いた原子的構造観察の結果、以下の知見を得た。 1. 基板温度520KでAuとCoを逐次蒸着したところ、蒸着厚さ・蒸着順序によらずAuとfcc-Coとの間にはcube-on-cubeの方位関係が見られた。このとき、粒径約10nm以上の粒子ではCoシェル構造が、粒径10nm以下の微細粒子ではAuシェルが形成される傾向が見られた。 2. 粒径低下とともにAuシェル粒子の割合が増加し、最大65%に達した(平均粒径8nm)。 3. 蒸着後の800K-1hでの熱処理によりCoシェル粒子ではコアシェル構造が消滅し、二相分離組織に変化した。一方、800K-6hの熱処理を行ってもAuシェル構造とその割合には変化は見られなかったことから、微細粒子に見られるAuシェル構造は安定と考えられる。 また、上記の他、今年度はRHEEDを導入し、電子ビームを用いたナノ構造薄膜成長技術の高度化を図り、TiO2基板上に同様の条件でAu/Coナノ粒子を成膜した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H26年度はNaCl(001)基板上を用いた予備実験により、Au/Coナノ粒子成長の成膜条件(蒸着厚さ、積層順序)を明らかにした。また、RHEEDを導入し、ナノ粒子成長の様子をリアルタイムでモニターできるようにした。これらはTiO2基板上でのAuシェル粒子成長の精密制御に必須であり、H26年度に当初計画通りにこれら項目を達成していることから、本研究課題は概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
H27年度交付申請書に記載の研究実施計画に沿って実施する。特にH26年度に導入したRHEEDを駆使してAuシェル構造の精密制御を行い、STEM-HAADF/EELSを用いたAu/Co界面構造の原子的構造・電子状態解析に重点的に取り組む。
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