研究課題/領域番号 |
26286026
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
上原 雅人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 製造技術研究部門, 主任研究員 (10304742)
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研究分担者 |
佐藤 庸平 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (70455856)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ナノ粒子 / 電子顕微鏡 / 解析・評価 / 光物性 / 表面・界面物性 |
研究実績の概要 |
マルチシェル構造ナノ粒子におけるインナーシェルの被覆について、原料の逐次投入法や配位子の種類(アミン系、カルボン酸系)や添加量などの条件検討を行った。その結果、発光効率を前年度よりも向上させるとともに、シェル厚の制御について再現性を改善させることができた。しかし、一部には三角形などの異質な形状の粒子も観察された。また、アウターシェルについても原料や被覆方法を検討した。ヨウ化物と硫黄との反応や有機化合物の分解などでの被覆を試みたが、3nm以上の厚化は困難であった。合成したこれらのマルチシェル構造ナノ粒子について、HR-TEMおよびSTEM-EDXによるマルチシェル構造評価や高分解能EELSによる光学特性評価を行った結果、厚さや結晶性の相関が見られた。また、理論的に解釈を深めるためにシミュレーションモデルの高度化を試みた。これらの研究成果について、国際学会で2件、国内学会で3件の学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度はCdSe/CdSの発光効率が良くなかったが、本年度、被覆処理方法を再検討した結果、発光効率が向上するとともに、再現性もよくなるなど、合成方法の改善が進んだため。
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今後の研究の推進方策 |
アウターシェルの厚さや結晶性を制御できるように被覆条件を検討する。スペクトルのシミュレーションでは実際形状を反映したモデルを構築し、シェルの厚さだけでなく形状についても議論したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね計画通り進んでいるが、ナノ粒子のマルチシェル構造形成に不安定性があったため、シェルの被覆条件検討に時間が掛かった。そのため、いくつかの外注分析を次年度に行うこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
外注分析や試薬代、国際学会での成果発表に使用する予定である。
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