研究課題
完全常温塗布プロセスによってチャネル長1ミクロンの短チャネル有機TFTを形成する基盤技術を確立した。常温導電性金ナノ粒子を電極材料に用いて、大気下での完全塗布プロセスによる素子作製を達成し,プラスチック基板上に素子を形成した。ソース・ドレイン電極、有機半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極の4層を、完全にパターニングした上で積層した。室温印刷プロセスによって熱による基板の変形を完全に抑制することができるため,プラスチック基板上にも正確に印刷することができる。各素子間が完全に分離されているため、素子間のクロストークやリーク電流といった問題が解決できる。平行光VUVを用いた表面選択塗布法によって解像度1ミクロンの印刷電極を形成し、短チャネル有機TFTのソース・ドレイン電極として用いた。トップゲート電極も同様に1ミクロンの解像度で印刷可能であるため、従来は難しかったゲートオーバーラップ長も正確に制御することに成功した。形成した短チャネル有機TFTは、チャネル長1ミクロンで移動度0.3 cm2 V-1 s-1、チャネル長5ミクロンで移動度1.5 cm2 V-1 s-1と見積もられた。本プロジェクトで開発した表面選択塗布法と焼成フリー金属ナノインクを用いた室温プリンテッドエレクトロニクス技術は、フォトリソグラフィに匹敵する解像度を有し、さらに1度の昇温も必要としない、究極の半導体素子・電子回路形成技術である。大気下・室温での電子デバイス塗布技術は世界でも全く例のない試みであり,将来的には室温Roll-to-Rollによって次世代フレキシブルエレクトロニクスを製造する基盤技術となり得る。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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