研究課題
本研究では、放射線照射と熱処理を駆使することで、室温においても安定な発光を有する単一光子源(SPS)を高効率に生成する技術の確立、ダイオードやトランジスタに埋め込んだSPSの特性を外部からの電圧印加や電流注入といった手法を用いて電気的に制御すること等を目指し、電子線やイオン照射、高温熱処理、及びデバイス作製プロセスにおいて高純度半絶縁性(HPSI)、n型及びp型4H-SiC基板やSiCデバイス内部に生成される単一発光中心の探索や物性測定を行った。その結果、電子線や陽子線照射により、後処理なしでSiC中の室温動作SPSであるシリコン空孔(Vsi)が形成できること、更には、プロトンビーム描画技術を活用することで任意の位置、深さにVsiを形成できることを見出した。デバイス中のSPS研究では、プレーナー型のpin構造を有するダイオードをSiCエピタキシャル膜上に形成し、i層内にデバイス作製プロセスで生成されるSPSを調べた。その結果、600~750nmの範囲に発光波長を有するSPSが形成されていることを明らかにした。発光スペクトルを解析することで、このSPSは昨年度までに発見した構造未同定な表面SPSであると結論できた。加えて、SiC金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)においては、昨年にチャネル領域で発見したSPSについて生成方法や起源について調査を行った。その結果、カーボン面ウェット酸化時にこのSPSが多く出現すること、発生密度は1e17 /cm2程度であること、SPSが酸化膜とSiC界面のSiC側に発生していること、550~750nmの広範囲に約7本のフォトルミネッセンスピークを有し、ピークの相対強度もSPS毎に変化すること、得られたSPSは発光波長が約0.3eVの広範囲でシフトすることが判明した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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