研究課題/領域番号 |
26286051
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
李 艶君 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50379137)
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研究分担者 |
菅原 康弘 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40206404)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 交換力分光法 / ナノ構造体 / ナノ磁性体 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、まず、原子操作技術を用いて構成原子数の明らかなナノ構造体を絶縁体表面に構築した。次に、試料表面の3次元的な交換エネルギー分布を導出できる分光法を開発した。具体的、以下のように実施した。 1)構成原子数の明らかなナノ磁性体の絶縁体表面を構築した。 ナノ磁性体に閉じ込められる電子のエネルギー状態やスピン状態は、ナノ磁性体を構成する原子数に大きく依存する。そこで、原子操作技術を用いて構成原子数の明らかなナノ構造体を絶縁体表面に構築した。なお、ナノ磁性体の構成原子としては、コバルト(Co)を絶縁体表面として塩化ナトリウム表面を取り上げた。
2)3次元・交換力分光法を開発した。 ナノ磁性体の磁性を解明するため、個々の原子位置での交換エネルギーの深さと原子間の障壁の大きさを議論する必要がある。そこで、磁性体探針と磁性体試料の間の距離を変えながら、カンチレバーの周波数シフトの変調成分を3次元的に測定し、その交換エネルギー分布を導出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)原子操作技術を用いて構成原子数の明らかなナノ構造体を絶縁体表面に構築した。
2)次に、試料表面の3次元的な交換エネルギー分布を導出できる分光法を開発した。
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今後の研究の推進方策 |
まず、ナノ磁性体の交換相互作用を解明する。 具体的に、3次元フォース分光法を用いて、1次元・2次元・3次元のナノ磁性体における磁気交換相互作用を解明する。ナノ磁性体を構成する原子数や原子種、次元がスピン状態にどのように影響するかを実験的に検討する。
次に、個々の磁性原子間の交換相互作用を解明する。 具体的に、ナノ磁性体を構成する個々の原子間の交換相互作用について検討する。具体的には、3次元の交換ポテンシャルを水平方向に対して微分し、水平方向に働く交換力を導出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
必要な消耗品を購入し、残った分を次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の予算に追加し消耗品で使用する予定である。
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