磁性体の物性は、電子のスピンが持つ磁気モーメントによって大きく影響を受ける。従って、新しい機能を有するナノ磁性体を思い通りに設計するには、スピン間の交換相互作用の理解が本質的に重要である。 本研究は、強磁性共鳴を用いた磁気交換力顕微鏡を駆使して、絶縁体表面上に構築されたナノ磁性体の原子スケールの交換相互作用を測定し、ナノ構造体を構成する原子数や次元、構造が交換相互作用にどのように影響するかを解明することを目的とする。研究の成果としては、1)磁気交換力顕微鏡の超高感度化と超高分解能化を実現した。2)カンチレバーの周波数シフトに含まれる変調成分から交換力を導出する方法を開発した。
|