| 研究課題/領域番号 |
26286053
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| 研究機関 | 電気通信大学 |
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研究代表者 |
佐々木 成朗 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (40360862)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 表面・界面物性 / ナノトライボロジー / 超潤滑 / 剥離 / 分子シミュレーション / グラフェン / フラーレン / カーボンナノチューブ |
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| 研究実績の概要 |
H27年度は、H26年度に引き続きグラフェンの湾曲に注目し、先ずグラファイト基板に吸着させた単層グラフェンシートの剥離現象が示す異方性のシミュレーションとその解析を行った。単層グラフェンシートの格子が基板グラファイト格子上にAB積層で初期吸着した状態（配向角度0 deg.）からの剥離過程を考えると、面接触部の格子整合性が最も高いため、剥離時の水平力の平均値は最大になった。しかし初期吸着配向をAB積層から少しずつずらしていくと、面接触部の格子不整合性の効果が表れて、それに伴い剥離時の平均水平力は急激に減少して、10 deg.前後の初期配向ではほぼ0 pN近傍まで落ち込んだ。10 deg. ～ 30 deg.の初期配向に対する剥離過程では不整合性を反映して0 pN近傍で微小変化をするにとどまった。
次にグラフェン/グラフェン系にC60を導入したグラフェン/C60/グラフェン系の引き剥がし計算を行った。グラフェンシートを剛体にした時の剥離過程はベアリング系の破壊現象とみなす事が出来、界面のC60がクッションの役割を果たした。
さらに(グラフェン)2/C60/(グラフェン)2系の圧縮過程の計算を行い、グラフェンシートの湾曲を伴う押し込み過程の予備計算を行い、垂直抗力を求める事に成功した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
グラフェン/グラフェン系の剥離過程に関しては、単層グラフェンシートの湾曲効果を計算する事に成功している。一方グラフェン/C60/グラフェン系の剥離過程に関しては、グラフェンの湾曲効果を考慮した計算に着手出来ていないが、圧縮過程に関しては、多層グラフェンの内部層の湾曲効果の予備計算に成功した。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成28年度は下記の研究を進める。
(1) グラフェン/グラフェン系の剥離過程の計算を行い、グラフェンシートの縦横比を変えた時、あるいはグラフェンシートのサイズを変えた場合の計算を行う。
(2) (グラフェン)n/C60/(グラフェン)n系(n>1)の剥離・圧縮過程の計算を行い、内部グラフェン層の湾曲や微小変形と、内包C60分子の変形、形状との関係を議論する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に引き続き、平成27年度も異動に伴う研究室のハードウェア面での環境整備が必要となり、備品の購入計画に変更が生じたため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、小規模なハードウェア面での整備、およびその他ソフトウェア面での整備のために研究費を使用する。
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| 備考 |
受賞3件
・ITC Tokyo 2015 ”Poster Award for Young Tribologists” (2015年9月17日) 2件同時受賞
・東京理科大-電通大 合同若手研究会 優秀ポスター講演賞（2016年3月14日）
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